産業能率大が、今春入社の新入社員が選ぶ「理想の上司」の調査結果を4月21日に発表した。それによると、女性の1位は女優の天海祐希さんで6年連続。まあ、これは分かる。男性の1位は、6位から一気にトップとなった元プロテニス選手で、いま一番の売れっ子CMタレントの松岡修造さん。こちらはちょっと意外というか面白い結果だった。松岡さんを理想とする理由は「やる気を引き出してくれそう」 が多かったそうだ(以上4月22日付読売新聞東京版による)。
松岡さんは、売れっ子CMタレントなんて書くと怒るかもしれないが、やはりCMで顔が売れるのは大きいのである。もっとも、スポンサーは、松岡さんが好感を持たれると判断して起用するワケだから、スポンサーにとって、松岡さんは、消費者の「買う気を引きだしてくれそう」な人なのである。
と書いてきて、これは血筋だなあと思った。松岡さんは、小林一三のひ孫に当たるのだ。小林とはもちろん、阪急電鉄の創業者で、阪急グループの総帥。宝塚少女歌劇と阪急ブレーブスの生みの親で、その入れもの、宝塚大劇場と西宮球場を作り上げた。

小林一三[上]、佐伯勇の両オーナーの血が流れているオリックスは、2人がどうしてもできなかった「強い、満員、スターがいっぱい」を実現してほしい
大衆消費社会の到来で、どうすれば、消費者に買う気を起こさせるか(不動産、デパート、映画、演劇...etc)、それに一生をかけた人だった。そして、ほとんどの事業に成功した人だった(つぶれかかっていた東京電燈=現東京電力=を見事立て直したのは、いまや伝説になっている)。
しかし─。1つだけ小林でもどうにもならないものがあった。それが・・・
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