広島先発投手陣唯一の左腕は、開幕から13試合で6勝3敗、防御率2.43と安定。ローテーションに安心感をもたらす頼りの存在の一人となっているK.ジョンソン。その投球に大きな役割を果たすスパイクカーブについて聞いた。 取材・構成=菊池仁志 写真=佐藤真一 来日を境に形を変えたスパイクカーブ
自分の中で一番自信を持って投げられるのは、やはりストレート。変化球の中ではカーブが一番信頼できるボールです。あくまで「感覚がつかめているときは」という注釈付きではありますが、ストレートの次にランクします。
カーブは初めて投げた変化球です。アメリカでは体が成長するまで、変化球を投げないという教えが一般的です。私も15歳くらいまでは変化球を投げずに育ちました。初めてカーブを投げたときは人さし指から小指まで、4本の指をそろえて、親指で逆サイドを支えるように持って投げるカーブでした。フットボールを投げるような感じと言えば分かりやすいでしょうか。その後、通常の握りでカーブを投げるようになり、いろいろと試行錯誤して、いまのスパイクカーブにたどり着きました。
スパイクカーブを投げ始めたのは、実は今年からなんです。アメリカで投げていた昨年までは、通常のカーブの握りでした。オフには遊びの感覚の中で変化球のさまざまな握りを試したり、人からアイデアをもらって投げたりするんですけど、その中で感覚が良かったのがいまのスパイクカーブです。日本に来たから、ボールやマウンドの違いの中で握りを変えたわけではないんですよ。でも、ハードなカーブが投げられているので、自分に合っていたんでしょうね。
スパイクカーブは人さし指を立てることで、それがボールの指南役を果たしてくれるんです。ボールのリリースに使うのは中指と親指ですが、人さし指が添えられていることによってボールが抜けるのを防いでくれます。球速が遅い分、甘く入ると危険なボールとなりますが、ミスをなくすという点でも確率が高いボールになっていると思います。

(前1)添える人さし指がボールが抜けることを防ぐ役割を果たしている

(前2)親指は中指の対角線上に置き、深めにグリップする
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