松山での秋季キャンプで汗を流す2013、14年のドライチ2人が、そろって誌面に登場するのは初めてのことだ。14年ぶりのリーグ優勝に貢献し、日本シリーズのマウンドも経験するなど、濃厚な1年を過ごした。だが、フルシーズン一軍にいることができなかった悔しさが、2人を突き動かしていることは間違いない。今後のヤクルトを背負う若き2人の右腕が語る2015年。そして雪辱の16年へ。 取材・構成=阿部ちはる、写真=川口洋邦(インタビュー)、BBM 同じ悔しさを経験
2013年のドラフト1位の石山と、14年1位の杉浦はともに今季の優勝に貢献した先発右腕。年齢も近く仲が良いそうで、この取材の前日にも食事に出かけていた。 杉浦 石山さんにはよくご飯に連れて行ってもらって、仲良くさせていただいています。いつも石山さんが行くお店をチョイスしてくれますが、石山さんは外さないですよね。今まで行った中でおいしくなかったお店はないですから。グルメっす。
石山 グルメじゃないよ。必死に探してます!
杉浦 ハハハ!
石山 後輩においしくなかったって言われないように(笑)。
杉浦 ハハハ!そこまでやってくださるんですよ。優しい先輩です。
石山 頑張ってます。そういうところでも。
――秋季キャンプで汗を流されているお2人ですが、今シーズンを振り返っていただきたいと思います。今季はお2人とも一度、離脱を経験していますが、リーグ優勝、日本シリーズと大きくチームに貢献しました。
石山 僕はシーズンの出だしが良かったので、このままいけそうだなっていう感じを最初はつかめていたんですけど、でも途中からバランスがおかしくなったり、思うように投げられなくなったりしてしまい、不調というかスランプみたいなものに陥ってしまいました。一度二軍に落ちましたけど、立て直して戻ってこれたのでそこは良かったなとは思います。でもやっぱり1年間通してローテーションを守らなくてはいけないですから、その難しさを実感した年でしたね。
杉浦 僕は出だしになかなか勝てなくて、勝てないまま結局離脱してしまいました。離脱後も不運が重なって最後の最後しか復帰できなかったですし。昨年もケガをして、今年こそ1年間しっかり投げるっていうのをシーズン前は目標としていたので、すごく悔しかったです。

日本シリーズ第3戦に先発した杉浦は5回途中6安打4失点も、猛打が炸裂し、チームは勝利した
石山 1年間ローテーションを守る難しさをあらためて感じたよね。やっぱり石川(雅規)さん、ライアン(
小川泰弘)を見ててすごいなと思うな。悪いなりにもその試合を作るというのは難しいことだし、そういうところがまだ足りないのかなと。
1年間一軍にいたい
リーグ優勝は10月2日の阪神戦(神宮)だったが、翌日の広島戦(マツダ広島)に先発予定だった石山は、広島へ移動していたため、この瞬間には立ち会えなかった。 ――お2人とも悔しい思いはあるかと思いますが、チームは優勝を果たしました。そのときの達成感というか喜びというのはいかがでしたか。
石山 ……(うつむく)。
杉浦 (石山を見て)ハハハハハ!
石山 そうですね……。
杉浦 その瞬間は広島で……。
――石山選手、すいません。この話はやめましょう・・・
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