文=菊池仁志、写真=内田孝治、小山真司 猛虎軍団をけん引する東京六大学のヒットメーカー
1位の交渉権が確定してから約2時間45分後、明大合宿所を訪れた
阪神・
金本知憲新監督とガッチリと握手を交わした。「テレビで拝見しているだけでもオーラを感じていた方。感動する気持ちと同時に、阪神の一員としてやっていくという強い気持ちになった」。これまで、明大の先輩・
高田繁氏(元
巨人、現
DeNA・GM)が保持していた東京六大学リーグ通算安打記録の「127」を更新したヒットメーカー・
高山俊の行き先は、チーム再建を目指す関西の名門・阪神に決まった。

記者会見後、室内練習場でチームメートに胴上げされる高山。「あれほど良いグラウンド(甲子園)でプレーできるのを今からワクワクしている。金本監督のように長くプレーしたい」と仲間と喜びを爆発させた
4年間、慣れ親しんだ神宮で引き続き躍動するつもりだった。第1回1巡目入札で阪神と
ヤクルトの指名が重複。ヤクルト・
真中満監督と阪神・金本監督がクジを引き、真中監督がガッツポーズを見せると、まず、小さくうなずいた。続いてテレビ中継を通じて「一緒にプレーしよう」とメッセージを受け取ると、一礼して謝意と喜びを表した。
しかし、2分後に事態は急展開する。当たりクジを確信した真中監督だったが、その用紙には「交渉権確定」の文字は記されておらず、一方の金本監督は「あれだけ喜ばれたら、見ても仕方ないと思って中身を見なかった」と確認すらしていなかった。その後、事務局の確認で阪神に交渉権が確定していたことが明らかに。あらためて金本監督から送られた「一緒に頑張ろう。練習はきついですよ」との言葉に合わせて、高山は2度、はっきりと意味をつかめないまま、小さくうなずくことになった。
本拠地となる甲子園は思い出の地だ・・・
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