甲子園のマウンドはスカウトへの最高のアピールの場となる。センバツ出場の可能性が高い投手たちをピックアップ。いずれもこの春に脚光を浴びるであろう逸材ばかりだ。 東邦高・藤嶋健人/2つの新球種で進化
文=滝川和臣、写真=井田新輔 
東三河ボーイズ時代はNOMOジャパンで大阪桐蔭高の高山ともプレー経験がある
2014年夏の甲子園、1年生ながら堂々とした投げっぷりで注目された名門校のエースが昨秋、再び全国の舞台で躍動した。
愛知1位で駒を進めた東海大会初戦、中京高戦で7回参考ながらノーヒットノーランを達成。決勝のいなべ総合高戦は初回に6点を失うも、粘りの投球で東邦高を20年ぶり10度目の東海Vに導いた。神宮大会では1回戦、九州王者の秀岳館高を相手に9回2失点で完投勝ち。打っては2発の2ランで全打点を叩き出した。チームは2回戦で青森山田高に惜敗(藤嶋は先発回避)したものの、スケールアップした雄姿を全国の舞台で見せつけた。
きっかけは、同校OBで東海大でプレーする
丸山泰資がグラウンドを訪れた際に伝授されたスライダーとカットボールだった。特にカットは「左打者のインコースで内野ゴロを取れるようになった」とピッチングの進化を語るうえで、大きな転機となった。
エースで四番、新チームからは主将にも指名された。1人3役の責任感が人間的にスケールアップさせたことは明らかだ。森田泰弘監督が「人間的に申し分ない。主将は藤嶋しか考えられなかった」と言えば、本人も「自分でも(主将を)やるつもりでした」と頼もしい。
藤嶋がけん引するチームは、今春センバツの優勝候補に挙げられる。146キロ右腕は聖地での投球が将来につながることを十分に理解している。
PROFILE ふじしま・けんと●1998年5月8日生まれ。愛知県出身。176cm75kg。右投右打。小学2年で軟式の栄ドリームズで野球を始め、豊橋市立南部中では東三河ボーイズに所属。3年夏にはNOMOジャパンでアメリカ遠征を経験。東邦高に進学し、1年夏から甲子園で登板し、1977年夏の1年生準優勝投手・坂本佳一になぞらえて“バンビ2世”として騒がれた。2年秋の新チームからは主将、エース兼四番と3役で東邦高を20年ぶりの東海大会Vへと導いた。
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