戦国・東都リーグ二部でしのぎを削ってきた。3年秋までに42試合に登板し、12勝12敗。150キロを超える真っすぐとタテスラ、さらに疲れ知らずの体力を「負けず嫌い」な強気の性格が後押しする。高校3年時の指名漏れから4年、大学ラストイヤーはチームの一部昇格と、自身のドラフト上位指名を勝ち取るつもりだ。 取材・文=上原伸一、撮影=桜井ひとし ドラフト指名漏れの悔しさを胸に大学進学

高校で感じた悔しさを、今秋に晴らすことはできるのか。大学ラストイヤーを前に、オフは下半身強化をテーマにトレーニングに励む
悔しさをバネに成長への階段を上っている男――。それが立正大の
黒木優太(3年)だ。黒木には大きなエネルギーになっている悔しさが3つある。1つは橘学苑高3年時(2012年)に経験したドラフト指名漏れ。プロ志望届を出していた黒木は「行けるものだと思っていたので……だいぶショックでした」と振り返る。
黒木が本格的に投手になったのは高校2年秋。肩の強さを買われてのことだった。するとほどなく速球派右腕として神奈川県下で名が知られるように。3年夏は県3回戦で敗退するも、その東海大相模高との試合で146キロをたたき出し、プロからの評価を高める。獲得の意思を示していた球団もあっただけに、ドラフトで名前が呼ばれなかったときは、悔しさもひとしおだったのだ。
それでもいつまでも引きずらないのが黒木のいいところ。「1時間で切り替えた」という黒木は、活路を大学野球に定めると「4年後は必ずプロに行く」と心に誓い、東都リーグ二部の立正大に進む。ドラフト指名漏れの悔しさをマウンドにぶつけた黒木は、1年秋から立正大の中心投手となり、2年春からは3季連続で1点台の防御率をマーク。3年春はリーグ2位だった。プロという目標があるから、黒木の目線、そして意識は高い。
「練習では200でも300でも納得するまで投げています。夏場に1日600球投げ込んだこともあります」
ところが3年秋は、思いのままにならなかった。1年秋から続いている防御率10傑以内は保ったものの(9位)、初めての3点台(3.11)と落ち込んだ。黒木はこの原因について「春のリーグ戦後、体を大きくしようとウエートに取り組んだところ、フォームのバランスを崩してしまった」と話すが、それまでが順調だっただけに、かなり悔しかったようだ。
「ドラフトで指名されるためにも、結果を出し続けないと……僕らの学年は創価大の
田中正義、流通経大の
生田目翼など、注目されている右投手が目白押しですからね」
ただ立正大の坂田精二郎監督は・・・
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