週刊ベースボールONLINE

中日・大野雄大のツーシーム

  7




開幕から安定した投球を続け、5年目左腕は今や竜投の柱となりつつある。その活躍を支えているのが、入団2年目で習得した軸となるこの変化球だ。
取材・構成=吉見淳司、写真=川口洋邦

ストレートとの二択で打者を幻惑


 僕のツーシームはシンカー気味に変化する場合と、チェンジアップ気味に変化する場合があります。意識して投げ分けているわけではないですが、少し抜いて投げることもあります。そうすると球速が125キロくらいになって、緩いボールになります。

 ランナーがいる場合はなかなか遅いボールは投げられないので、ストレートに近い球速でちょっと動かしてゴロを打たせてゲッツーを狙うことが多いですが、ランナーがいない場面で空振りを取りたいときは、抜いて球速差をつけることもあります。

 ツーシームを投げ始めたのはプロ2年目の2010年。それまでに投げていたのは真っすぐとスライダー、フォークでしたが、フォークの精度が全然で、大事な場面でなかなか使うことができませんでした。そういうときに小さい変化でいいから、右打者のアウトコースに逃げていくボールを投げたいと思っていたんです。そこでフォークの握りを浅くしてみたら、腕がしっかり振れて、小さい変化になりました。

 ツーシームは自分で変化の仕方が分からないということも聞きますが、僕の場合はちゃんと曲がってくれていますね。よくテレビの解説の方が「今のはチェンジアップですね」と言われる場合もありますが、それくらいしっかり変化しているということだと思います。ほかにもフォークやスプリットと言われることもありますね。

 DeNAの山﨑(康晃)君のツーシームも、周りから見たらフォークっぽいですよね。僕もそんな感じで、周りからはほかの変化球に見えても、僕としてはツーシームなんです。

 僕はもともと不器用なタイプで変化球は得意ではないのですが、このボールはすぐにしっくりきましたね。今ではすっかり軸のボールです。

 最近、自分が投げた試合のチャートを見て、どのボールをどれくらいの割合で投げたのかを確認していたのですが、全体で120球を投げるとしたら、だいたい半分の60球がストレート。残りの60球のうち、半分の30球がツーシームという感じです。変化球の信頼度では、ツーシーム、フォーク、スライダーという順番ですね。

 どのカウントからでも投げられるボールですが、やっぱり僕の一番の長所は真っすぐなので、ストレートを狙わせておいたところにツーシームを投げて、凡打や空振りを取るのが効果的。ツーシームを待たれていると簡単に打たれてしまうボールだと思いますね。まずはストレートを意識させることが重要です。反対に、相手がツーシームを狙っているなと感じたときには真っすぐを続ける場合もあります。

握りは「両方の指を縫い目の外側に」


 フォークの握りから、両方の指を縫い目の外側に持っていくイメージ。です。人さし指と中指は縫い目の上に沿うのではなく、ちょうど両指の内側に縫い目がかかるくらいに置きます。

 僕は左投手なので、右打者のアウトコースか左打者のインコースにしか投げません。そのコースのラインをめがけて投げてくのですが、リリースの際にはストレートよりも若干、最後の最後まで指先の球離れを意識します。指の途中で離すと浮いてしまいます。球速もストレートより遅いので、リリースポイントをより前にしてください。

(前1)縫い目の幅が狭くなっている個所に人さし指と中指の中間部分を持ってきましょう


(前2)手首が寝ては棒球になってしまいます。ストレートと同様に、しっかり立てたまま投げてください

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

この記事はいかがでしたか?

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング