186センチ92キロの巨体ながら50メートル6秒1の俊足と強肩の持ち主。高卒1年目には、左打者ながら1試合3本すべて左翼席に本塁打を放つパワーを見せた。今年は強化指定選手として一軍キャンプに抜てき。連日、指の感覚がなくなるまでバットを振り続け、2月の練習試合で結果を残した。金本知憲監督が未来の大砲と期待する横田慎太郎が、今、大きく飛躍しようとしている。 取材・構成=椎屋博幸、写真=早浪章弘(インタビュー)、前島進 今まで打撃に対する考えが甘過ぎた
「親からもらった大きな体と走力」を生かしたい。そう強く思っている。ロッテなどで活躍した父・真之氏の身体能力を受け継ぎ、入団当時から未来の大砲として周囲から大きな期待を掛けられた。そのことが自分の中でいつしか慢心になっていた。しかし、初参加となった今年の一軍キャンプでその鼻を一気に折られた。 去年までの2年間は、「早く一軍に行って活躍したい」という気持ちが強くありました。そして今年、一軍キャンプに抜てきされたときは「よっしゃあ」という思いと同時に「自慢の飛距離を見せてやろう」という軽い考えでいました。しかし、いざ始まってみると、金本(知憲)監督や片岡(篤史)打撃コーチに打撃フォームの欠点を指摘され、さらに練習に参加すると自分がまだまだ一軍レベルの選手ではなかったことに気が付かされました。ただ今では、欠点の内容を自分の中でしっかりと理解できるようになっています。そのことが分かるようになり、打撃の「何か」が少し理解できるようになったことで、練習にも集中して取り組むことができるようになりました。
現在、一番に取り組んでいることは、自分の型のバッティングフォームを作り上げることです。真っすぐ、変化球、厳しいコースをしっかり強い打球を打てるようになるには、ボールを待つときのバットのトップの位置をいかにしっかり保つことができるか、だと思っています。

自分の打撃フォームの型を体に染み込ませるために、キャンプでは連日バットを振り込んだ
入団当初から掛布(雅之現二軍監督)さんに打撃フォームのことをいろいろと教えていただいてきた中で、もちろん、トップを作ることにも取り組んできました。しかし、ずっと「遠くに飛ばしてやろう」という意識が働き、体全体に力が入っていました。これまでは、いろいろな方から、「人よりも飛距離が出る」と言われることが多く、自分の中で勘違いしてしまった部分はあったと思います。しかし、この一軍キャンプでは「トップ」のことを口酸っぱく言われ続けて、自分のバッティングに対する考え自体がすごく甘かったな、もっと真剣に取り組まなければいけなかったんだな、と再確認しました。
キャンプ2日目の特打のときに金本監督から約1時間、直接指導を受けました。また、片岡コーチには、夜も付きっきりで教えていただきました。その打撃練習を繰り返す中で、徐々に「実戦に近づけるバッティング」をしなければいけないな、と思い始めていきました・・・
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