混セの中で着実に白星を積み重ね日々、チームの存在感は増している。ここでは有力スポーツ各紙キャップに、ここまでの戦いぶりと優勝へのシナリオを分析してもらった。 【回答者】デイリースポーツキャップ伊藤玄門
Q1.首位争いのMVPは…「藤浪晋太郎」 今季は先発陣の軸の一人として奮闘、フル回転し、チームを支えていることは間違いない。7月24日の
DeNA戦(甲子園)では152球を投げ抜き完封勝利をマークするタフネスぶりも披露。藤浪に勝たせたいという首脳陣、選手の思いがひしひしと伝わってくるし、それだけ貢献度が高いということ。
メッセンジャー、能見、岩田と強力な先発4本柱が君臨するが、その中でも藤浪はエース級の働きを見せ、チームに刺激と活気を与えてきた。無限の可能性も秘め、
ヤクルト、
巨人との優勝争いには当然、右腕の奮起が不可欠。
阪神が首位争いに加わっているのは、飛躍的に成長した藤浪の存在なくして語れない。
Q2.ここまで首位にいる理由は…「投打のバランス」 セ・リーグの他球団と比べて戦力のバランスが良いからだ。先発陣ではメッセンジャー、藤浪、能見、岩田の4本柱は全員が2ケタ勝利をマークすることが可能なメンバー。守護神は開幕から
呉昇桓が君臨している。打線も不動の遊撃手・鳥谷を中心に、好不調の波はあったが
マートン、ゴメスも主力として働いている。
ベテランの福留の打棒が爆発したことも大きい。若手選手が台頭してきたこともチームに刺激を与えている。ドラフト3位の江越が豪快なフルスイングで潜在能力の高さを示し、昨季も5勝をマークした岩崎がシーズン途中ではあるが先発ローテに入った。今後も主力、ベテラン、若手の融合がポイントになる。
Q3.キーポイントとなった試合…「7月12日の巨人戦[東京ドーム]」 7月10日、11日の同カードで連敗し、和田監督が打線にメスを入れた。背中への死球の影響もあって下位に下げていた鳥谷を一番で起用。これが当たり、12日の巨人戦で快勝。その後、首位に浮上した。当初、後半戦から考えていた起用を巨人を倒すために前倒した事情もあった。「一番・鳥谷」は和田監督の今季の起用法の“肝”と言っても過言ではない。
開幕から一番に鳥谷を据えて戦い、途中で三番や下位に入れることはあったが、後半戦はほとんどの試合でリードオフマンとして使っている。指揮官がこだわり続けた采配で勝利を収め、宿敵に3連敗せず踏みとどまったことが大きかった。
Q4.優勝のためのキーマンは…「鳥谷敬」 
プレーで先頭に立つキャプテン・鳥谷。攻守走でチームをけん引する
オフにメジャー挑戦を目指しながらも阪神への愛着が強く、優勝させたい思いで残留を決意した。キャプテンとしてチームをけん引している。「一番・鳥谷」にこだわってきた和田監督は常々、「チームの一つの顔」と明言しているほど。リードオフマンの鳥谷が出塁して相手を揺さぶり、福留、ゴメス、マートンらのクリーンアップが鳥谷をかえす、がチームの理想的な勝ちパターンだ。
そのため、優勝争いが佳境を迎える今後、鳥谷の存在がキーポイントになることは間違いない。ショートの守備でもセンターラインの中心として存在感を示している。攻守走でキャプテンがどれだけ躍動できるかがポイント。
【回答者】スポーツニッポン新聞社キャップ森田尚忠
Q1.首位争いのMVPは…「福原忍」 チーム防御率は3点台後半に沈んでいるが、着目すべきデータがある・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン