3年前までは3ケタの背番号を背負っていたが、2013年に支配下へ。そして先発として大ブレークを果たすと、翌年からクローザーに転向し、さらに才能を開花させた。侍ジャパンのクローザーとして期待される右腕西野勇士のシンデレラストーリーは、プレミア12、そして第4回WBCへと続いていく。 2大会でつかんだ国際大会の投球術
小久保ジャパンの中で、最も多くのセーブを挙げているのがこの男だ。クローザーとしては唯一、日米野球と欧州代表戦に連続選出。その期待に応え、得意の高速フォークで外国人打者を手玉に取っている。 ――2014年秋の日米野球、15年春の欧州代表選と2大会連続で代表に選出されました。すっかり侍ジャパンの常連となりましたが。
西野 いやあ、まだ2回だけなので正直、まだまだですね。どちらのマウンドも緊張していましたから。まあ、欧州代表戦の方が少しは慣れた感じはありましたけど。日米野球に選ばれていた選手もいましたし、練習からスッと入れました。
――この2大会通算で4試合に登板し(親善試合1試合を含む)、3セーブを挙げて失点はわずかに1。
小久保裕紀監督の信頼をつかんだのでは。
西野 僕自身としては、投げた試合がたまたまセーブシチュエーションだったという感覚です。日米野球のときは僕と高橋(朋己、
西武)さんが交互。欧州代表のときも松井(裕樹、
楽天)君と交互だったので、それがたまたまはまったんじゃないかと。
――これまでの登板で特に印象的だった場面は。
西野 やっぱり、一番は日米野球のノーヒットノーランですね(14年11月15日、東京ドーム)。アルトゥーベ、
サンタナ、モーノーという打順だったんですけど、昨季のメジャーの両リーグの首位打者がいますし、サンタナもすごくいいバッター。あれ以上のマウンドはないかな、と思っています(苦笑)。あの試合は本当に特別なシチュエーションだったので、今の投球に役立っているかどうかは分かりませんが、本当にいい経験ができました。
――試合前から投げる順番が決まっており、9回にマウンドに行かないといけないのは分かっていましたからね。
西野 すごく恐かったですね。順番的にアルトゥーベとは対戦するだろうなと分かっていて、嫌でした。
――国際大会を経験して、打者のイメージはつかめましたか。
西野 積極的な打者が多いと感じました。ストライクゾーンに関しては思い切り良く振ってくる場合が多かった。カノーなどは初球を見逃すということは分かっていたんですけど・・・
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