長年にわたってロッテの正捕手を務め、昨年限りで現役を引退した里崎智也氏。2006年WBCでは日本代表の正捕手として世界制覇に大きく貢献した。国際大会の経験豊富な同氏が代表チームを分析する。 取材・文=吉見淳司、写真=BBM チームのキーは中田、投手は役割の固定を
日本代表は5戦全勝で予選Bグループ首位突破を決めましたが、何と言っても
中田翔選手がキーマンとなっていました。これまでの国際大会ではなかなか結果を残せていませんでしたが、結局は大会中の短い期間に調子を合わせられるかどうか。どの選手も、長いシーズン中に、1週間くらい当たりのなかった時期はあるはず。その期間が短期決戦に当たってしまえば打てませんからね。今まではそのツボに入ってしまっていたのでしょうが、今回は好調の時期が合ったのだと思います。
僕は2006年のWBCのときに打率.409を打つことができましたが、そのときはとても調子が良かった。どんなボールが来ても打てそうな感覚がありました。でも、反対に08年の北京オリンピックは打率.071。結局は調子が合うかなんです。
打のキーマンをもう1人挙げるとしたら、
秋山翔吾選手。やっぱりトップバッターが塁に出ないと得点力は上がらない。
筒香嘉智選手、中田選手と、かえす人は確立しているので、後はランナーがいかに塁に出るかがポイントとなるでしょう。
投手は特に目立って調子が悪い選手はいませんでしたが、なかなか中継ぎ以降の形が見えませんでしたね。救援には
松井裕樹投手、
山崎康晃投手、
澤村拓一投手、
増井浩俊投手がいますが、試合ごとに試している印象を受けました。ある程度、役割が分かっていたほうが投手も試合に入りやすいはずです。僕だったら、調子の良い投手から、9回、8回、7回という順番で使います。
予選リーグで状態を見極めていたのかもしれませんが、僕の印象としては最終的な形が見えてこなかった。準々決勝からはどうしても固定するしかないですから、できれば大会前に各投手の役割をしっかりと決めておきたいところでした。
ただ、結果的に接戦を拾えたことはチームにとって大きかったと思います。こういう大会では一つの敗戦でチームが浮き足立ってしまいますからね。でも、どんなミスがあっても、勝っていれば引きずることはありませんから。
連係ミスに見えた代表合宿の必要性

11月11日のメキシコ戦[台湾・天母]ではバントヒットを含む4本の内野安打を許した。中田のサヨナラ打で辛くも勝利したが、改善が必要
試合を見ていて気になった点は・・・
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