▲野球部員に担ぎ上げられた森は、祝福の花束を手に笑顔を見せた
気分は「逆転サヨナラ満塁ホームラン」 世代NO.1キャッチャーが先輩へ“挑戦状” 取材・文=谷上史朗 写真=松村真行 打撃のルーツは車庫でのティー 会場に集まったマスコミ関係者からも、壇上に並ぶ顔からも、緊迫感の中にどこかリラックスした雰囲気が漂っていた。大阪桐蔭高の本館、地下にあるリバティーホール。ここで迎えるドラフトはいまや秋の一つの風景となっている。1989年の
今中慎二(
中日)から数えて27人目、高校から直接、となれば、8人目となる1位指名は確実だった。ただ、西谷浩一監督、有友茂史部長の間に座る森の頭にあった本音は『単独でどこか来てくれへんかな……』。
松井裕樹(桐光学園高)とともにドラフトの目玉と注目され続けたが、直前まで単独指名の姿勢を見せる球団はなかった。それが、ドラフト当日の朝、一部スポーツ紙が「森
西武一本釣りも」と大きく報じた。この記事に各球団のスカウトがざわめき、忙しく情報収集に動いた。
もちろん、西武の動きがなければ各球団にとって森は、貴重な外れ1位候補だったからだ。「頭が真っ白です」と初々しい一言から始まった会見の最後には、今の心境を打席の結果にたとえると? と問われ、満面の笑みで「サヨナラ逆転満塁本塁打です」。あきらめかけていた単独1位指名の上に、その球団が「行きたい球団でもありましたし、OBの方(
中村剛也、
浅村栄斗)もおられるのでホッとしました」という西武・・・
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