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特集・2015-16 戦力補強最前線
藤川球児&和田毅 岐路に立つ“松坂世代”

 

松坂世代の2人が歩んできた道は似ている。2000年代は投手陣のリーダーとして、和田毅ソフトバンクを、藤川球児阪神を引き上げた。海を渡り、トミー・ジョン手術を受けたのも、カブスのユニフォームを着たのも共通項。そしてこのオフ、いずれも古巣に戻ることを選択した。かつてプロ野球界を席巻した世代も、勢いを失いつつあるのが現状。しかし、2人の心意気が再び熱を生む。

和田毅・エースの姿を見せるラストチャンス


 誠実さがソフトバンク復帰の決断を導いた。「アメリカに行くとき、快く送り出していただいた。あのときから、戻るならホークス以外は考えていなかった」。2011年、和田毅は16勝を挙げる大黒柱の活躍でチームを8年ぶりの日本一に導き、FAで海を渡る決断をした。主力の杉内俊哉、ホールトン、川崎宗則もチームを去る意思を見せ、日本一チームが弱体化することは必至。そんな状況でも夢を後押ししてくれた球団、ファンへの恩義があった。

「今年の成績(8試合登板)を考えるとアメリカではこれ以上、必要とされない」。現実を直視したとき、「いい姿を見せる最後のチャンス」と心を決めた。他球団のオファーには一切、耳を傾けることはなかった。

写真=湯浅芳昭



 強い責任感がある。「11年のように、チームの柱となれる活躍をする」。エースと呼ばれる存在だった。03年の入団から9年間で7度の2ケタ勝利。積み上げた107の勝ち星とともに、野球に取り組む姿勢で示した。「若い人たちにとって、自分の在り方を考える際に、いい存在になる」。黄金期を築こうとするチームの指針として、工藤公康監督の期待も高い。

 世代のトップを走り続けてきた和田も、渡米直後に左ヒジにメスを入れ、メジャーデビューには3年を要した。4年間で5勝に終わったメジャーでの結果に悔しさを残していることは想像に難くない。そのことも持ち前の闘争心に火をつける。「僕らの世代も・・・

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