週刊ベースボールONLINE

2016ドラフト特集 第1弾
逸材クローズアップ 大学No.1内野手・京田陽太

 

 プロに進む選手は、誰にも負けない武器を持っているものだ。

 日大で「四番・遊撃」を務める京田陽太(3年・青森山田高)の武器はスピード。184センチの長身だが、50メートル走は5.9秒。この俊足を生かした守備と走塁について「自信がある。アピールしたい」と京田は言う。プロのスカウトも「上位で名前が消える選手」と評価している。

 単に足が速いだけではなく、非凡な走塁センスを見せる。昨秋の中大2回戦(9月30日)では4回一死一、三塁から一塁走者の京田が二盗。捕手から二塁への送球が逸れ、カバーした中堅手からの返球が山なりになったのを見ると、京田は一気に三塁も蹴って生還した。京田は、事もなげにこの好走塁を振り返った。

「年に一度あるかないかのプレーですが、常に狙っています。高校時代から徹底していること。足にスランプはありませんから」

 堅実な守備は、中学時代に始めた「カベ当て」が支えている。所属していた白山能美ボーイズ(石川県)の練習は主に土、日だけ。平日は学校から帰ると、自宅の前にある塀で暗くなるまで2時間ほどカベ当てを繰り返した。これは、今でもグラウンドのフェンスに向かって毎日150球ほど続けている。

「カベ当てでは、バウンドを合わせていい形でしっかり捕る。歯磨きと同じで、『これをやらないと眠れない』という習慣になっているメニューの一つ。自分の守備の原点です」

 青森山田高時代は、青森県内では光星学院高(現八戸学院光星高)の北條史也(現阪神)とともにプロ注目の遊撃手だった。「守備では北條より上」との評価もあったが、「天と地ほどの差がある」と感じていた京田は、「まだプロは無理。大学で攻守走のすべてをレベルアップしよう」と、プロ志望届を出さずに日大へ進んだ。

青森山田高では甲子園出場は叶わなかったが、大学で成長を遂げ、昨秋はベストナインを受賞した



「恩師である五十嵐さんの野球がプロでも通用することを証明したい」


 日大では1年春(当時は二部)のリーグ開幕戦で「七番・DH」としてスタメンデビュー・・・

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