開幕一軍をかけたオープン戦に入ったとはいえ、チームの骨格が見えるのはまだ先だ。ただ、最大の焦点はエース・山本由伸が移籍し、再構築する先発陣だろう。巧みな選手起用で変幻自在に指揮を執る中嶋聡監督にあって、今季も流動的な起用が続くだろうが、投打ともに予想布陣をチェック。不変のスタイルで挑む4連覇だからこそ、豊富なオプションが最大の武器となる。 
全選手が宮崎市清武でキャンプを張り、中嶋聡監督は例年どおり精力的にナインの動きをチェック。指揮官の“眼”は開幕後の采配、起用に生かされていく
【投手陣】抜けた穴をプラスに
計27勝、投球回294回1/3──。退団した山本由伸と
山崎福也が昨季に挙げた成績を合算した数字がオフからつきまとう。それでも、中嶋聡監督はどこ吹く風だ。「それは2023年の数字。24年の数字は1からですから。いなくなった選手もいますし、それを埋めるのではなくて、新しく積み上げる形にしたい」。先発ローテの軸となるであろう
宮城大弥に対しても「そんなに期待していないですけどね」と冗談交じりに話すが、投手陣の再構築が大きなテーマなのは間違いない。宮城を筆頭に昨季の新人王・
山下舜平大、日本シリーズでも先発した
田嶋大樹、
東晃平はほぼ当確。残る2枠を経験豊富な
山岡泰輔、昨季のドライチ左腕・
曽谷龍平、アンダースローに転向し、昨季のウエスタンで防御率1.73をマークしてタイトルを獲得した
村西良太、新助っ人の
エスピノーザ、
ルイス・カスティーヨらで争う。
ただ当然、布陣は“現時点”に過ぎない。そもそも、昨季も開幕9戦目まで9人の先発投手を送り込み、“見極め”からスタート。シーズンが進む中でも一昨年は
山崎颯一郎、昨年は山岡が開幕先発ローテ入りも救援に配置転換されるなど、固定なき布陣で多彩な手を打つのは中嶋監督の真骨頂でもある。トミー・ジョン手術からの復活を目指す
椋木蓮、昨季のウエスタン最多勝左腕・
佐藤一磨や、最速150キロ超の
入山海斗、
才木海翔の両右腕ら育成投手陣が一軍に食い込んできても不思議ではない。主戦力が様変わりすることこそ“中嶋流”だ。
層の厚さは救援陣も同じこと。山岡が再び先発に回れば、ロング救援要員が必要となるが、昨季から僅差の展開で好投して勝利を呼び込んできた・・・
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