8回裏、先頭打者のT-岡田に対しカウント2-2とした後、少し顔をゆがめ、マウンドを降り、腰を折る。楽天先発・
則本昂大は立ち上がりから飛ばし、ここまで1安打のみの力投を見せていた。
「よくあること。ここまでは初めてだったので、休憩させてもらった」と振り返る異変の理由は、過呼吸だった。ベンチ裏でストレッチをし、脈拍が正常になったところでマウンドに戻り、そのまま4連続奪三振。最終的には1安打完封で、オリックス相手に2対0の勝利を飾った。
「こういう投球をしていれば、チームに勝ちをつけられる」と則本。現在、楽天はパの最下位にドカリと座る。4月28日、5月5日と連続して打ち込まれ、13失点を喫していたエースの不振も要因の一つだ。これでようやく3勝3敗と勝敗は五分に。野球の神様に感謝の祈りを捧げるかのようなゲームセットのポーズは、全身全霊で投げた充実感とともに、次なる登板への思いもこもっていたはずだ。東北のエースのリベンジが、これから始まる。