いよいよ最終局面に突入しつつあるペナントレース。リーグ優勝を巡る争いとともに、個人タイトル争いも徐々に候補者が絞られてきた。ここでは2週にわたってタイトル戦線の行方を見ていこう。まずは打撃部門。栄冠は誰に輝くのか――。 写真=BBM ※記録・情報は8月20日現在 
岡本和真[巨人/内野手]
2023年成績◎108試合117安打34本塁打80打点0盗塁、打率.298
【セ・リーグ】2年ぶりの奪還へ
昨季は
ヤクルト・
村上宗隆が史上最年少、18年ぶりの三冠王に輝いたセ・リーグの打撃部門。だが、今季はその村上がスタートから大きくつまずいたことで、様相が大きく変わっている。
全体の中心にいるのは巨人の四番にして新主将である岡本和真だ。本塁打はようやく復調してきた2位の村上に10本差をつけ、打点とともにトップ。打率も5位で、首位打者のラインが下がるようであれば昨季はライバルの村上にさらわれた三冠王も視野に入る。
今季は開幕から好調を保ってきた。大きかったのはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で受けた刺激だろう。「この数年は野球が楽しいものではなかった。野球の楽しさを再確認できた」というシンプルな言葉が、本心からのものであったことが伺える。
ただ、本塁打という意味ではスタートから打ちまくっていたわけではない。4月までは安打こそコンスタントに重ねていたものの、打球が上がらずわずか2本塁打。火がついたのは5月中旬からだった。交流戦でトップの8本塁打、19打点、2位の打率.383をマークしてMVPに輝くと、勢いを持続させたまま6月度の月間MVPも獲得。7月はややお疲れモードだったが、8月に入って大爆発した。
8月2日のヤクルト戦(東京ドーム)から2試合連続2本塁打、同6日の
広島戦(マツダ広島)では自身初の1試合3本塁打で早々と30本の大台に乗せ、6戦9発というド派手な固め打ちを見せた。「数字は意識していない。チームが勝つために打つだけ」とどこ吹く風だが、月間12本塁打はすでに自己最多だ。
今季の岡本和の打撃における大きな変化は打球方向だ。昨季までは広角にスタンドへ放り込むことができる対応力こそが最大の魅力で・・・
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