いよいよ最終局面に突入しつつあるペナントレース。リーグ優勝を巡る争いとともに、個人タイトル争いも徐々に候補者が絞られてきた。今週は投手部門のタイトル争いの行方を見ていこう。混戦のセ、大本命がいるパ、その結末は――。 写真=BBM ※記録・情報は8月27日現在 
東克樹[DeNA]
2023年成績◎18試合11勝2敗0S0H、87奪三振、防御率2.03
【セ・リーグ】初タイトルを狙う新顔たち
昨季の投手3冠、最優秀防御率、最多勝利、勝率第一位に輝いた
阪神の
青柳晃洋が不振にあえぐ中で、セ・リーグの投手部門は新顔たちが各部門のレースをけん引している。
最大の台風の目となっているのがDeNAの東克樹だ。8月24日の
広島戦(横浜)では各部門のライバルである広島・
床田寛樹との直接対決に投げ勝ち、7回1失点で11勝目をマーク。自身7連勝で新人王に輝いた2018年のキャリアハイの勝ち星に並ぶとともに、最多勝争いでリーグ単独トップに浮上した。さらに防御率もじわりと良化させ、こちらもトップの座をうかがっている。
2年目の19年から左肘痛に悩まされ、20年は開幕前にトミー・ジョン手術を受けて全休。21年途中に復帰し、昨季は開幕投手を務めたものの不安定な投球が続いて1勝止まりと浮上のきっかけを見いだせずにいたが、今季は巻き返しどころか完全に覚醒した感がある。
投球の軸となるストレートが昨季から平均球速で約2キロアップと、復帰から2年近くを経て球威が戻ってきたことは確かだ。それ以上に投球の幅を広げながらも、ゾーンで勝負できていることが大きい。自慢のチェンジアップにツーシームを加え、スライダーやカットボールとともにベース板の左右の幅をいっぱいに使いながら、丁寧に低めに集めていく。さらに大きなカーブで緩急も自在。ここまで125イニングを投げて与四球13と精度も抜群で、わずか2敗だ。
かつての勢いに任せたストレートとチェンジアップだけの投手からは完全に脱皮した。今後も簡単に大崩れする姿は想像しにくいだけに・・・
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