8月7日、都内・西荻窪の『今野書店』で、平野謙さん著『雨のち晴れがちょうどいい。』の発売記念トークショー&サインお渡し会を開催。サプライズゲスト、松沼博久さんの登場もあって大いに盛り上がった。今回はその後編です。 構成=井口英規 【前編】はこちら 【中編】はこちら 
トークショーの模様。右が兄やん、左が平野さん
けん制なんていらない?
平野 よく現役時代の思い出の試合とかシーンを聞かれるけど、結構、忘れてますよね。で、どうでもいいことは覚えている。兄やんがセットポジションで投げるとき、頭をおじぎするように下げなきゃ投げられないとかね。相手も分かっているから、そのときランナーが必ず走る。みんな盗塁するんだ。
松沼 そうだったね。
平野 兄やんに、「おじぎしたあとにけん制してみたら」って言ったことがある。「走者を刺したら賞金出すよ」と言ったら実際、やったんだよね。
松沼 あれは惜しかったねえ。
平野 走者が飛び出したけど、ランダウンプレーでセーフになったんだ。こっちは命拾いしたよ。どうせしないと思って、結構、いい金額を言ってたからね。
松沼 1千万くらいかな。
平野 はあ?(笑)。味方の野手も兄やんのけん制でびっくりしたんだろうけど、プロであのランダウンプレーの失敗はないよな。
松沼 あの1回だけだよ。けん制でアウトにできるかもと思ったのは。僕がけん制でアウトにしたのは生涯で1人だけだからね。
平野 いたの?(笑)
松沼 加藤秀司さん(元阪急ほか)。あんまり大きくリードしてくるからバカにしてるのかなって。
平野 バカにしてたんだろうな(笑)。
松沼 こっちもにらみつけ、必死に投げてアウトにした。でもさ、けん制なんて必要ないよ。アウトにするならいいけど、アウトにならなきゃ時間の無駄でしょ。
平野 社会人はもう採用しているけど、ピッチクロックになったらけん制も2回までだから、ああいう駆け引きもなくなるんでしょうね。けん制しない兄やんにはいいかもしれないけど。
松沼 俺は投球間隔で絶対ひっかかるよ。ボールをもらってからこねて、ロジン触って、ストッキング直して、帽子を直して……。
平野 ヒゲをちょっと触ってね(笑)。
松沼 うん。
平野 ヒゲに松ヤニでも塗ってたの?(笑)
松沼 そんなわけないでしょ。ベタベタになっちゃう。
平野 そう言えば・・・
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