
「全早稲田戦」が8月10日、大原運動公園ベーマガSTADIUMで開催。セレモニーのあと、関係者、両チームの記念撮影が行われた
前年の2対21から雪辱
早大の現役学生と、OB現役社会人でチーム編成する「稲門倶楽部」が対決する「全早稲田戦」(主催:早稲田大学野球部、共催:南魚沼市教育委員会、後援:稲門倶楽部、㈱ベースボール・マガジン社)が8月10日、新潟・南魚沼市内の大原運動公園ベーマガSTADIUMで開催された。
稲門倶楽部は8つの企業チームから計18人が参加。今夏の都市対抗限りで引退したトヨタ自動車の40歳右腕・佐竹功年が先発し、早大の主将・
印出太一(4年・中京大中京高)に先制2ランを浴びた。1回2失点で降板。試合後は胴上げされ「野球を続けて良かった」と感謝した。
試合は早大が9対3で快勝した。初開催の昨年は2対21で大敗。主将・印出は「今年はリーグ戦優勝、全日本大学選手権準優勝チームとしてみっともない試合ができない、と勝ちにこだわりました。佐竹さんはレジェンド。全力でぶつかることが誠意だと思い、バットを振りました。全早稲田戦は、先輩、後輩のつながりを深める貴重な場です」と語った。
大差がついても、社会人チームは一球に集中し、全力を尽くした。1901年創部、早稲田大学野球部の初代監督・飛田穂洲氏の教え「一球入魂」が、先輩から後輩へと伝承された。
早大は8月4日から18日まで同球場でキャンプを張り、今年で3年目。9日には飛田氏とゆかりのある池田記念美術館を訪問した。早大・
小宮山悟監督は「ベースボール・マガジン社の先々代の社長である池田恒雄さんと早稲田大学野球部とのつながりを考えると、足を運ぶべき場所です」と、歴史と伝統に触れ合った。

8月9日、早大の初代監督・飛田穂洲氏とゆかりのある池田記念美術館を訪問。飛田氏は1946年創刊「ベースボールマガジン」で巻頭言を寄稿。約2メートルの和紙に墨で記した直筆原稿が展示されている。左から印出主将、小宮山監督、吉納翼副将
■全早稲田戦結果 8月10日 ベーマガSTADIUM 開始11時21分、終了14時8分

(早)○鹿田、伊藤樹、香西、高橋煌、安田、田和-印出、栗田、吉田
(稲)●佐竹、加藤、※中森、※梶田、※黄、竹田-小藤、岩本
▽本塁打 印出、前田健(早)橘内(稲)
▽二塁打 梅村、寺尾(早)
▽審判 小倉(球)松永、上野、岡部(塁)
【注】※は早大選手
取材・文=岡本朋祐 写真=矢野寿明