
外角低めのスライダーを鮮やかに中前に運んで長嶋超えの安打を記録した[写真=兼村竜介]
“ミスター超え”を果たした! 9月21日の
DeNA戦(横浜)、一番・中堅でスタメン出場した
阪神・
近本光司が3回、
濱口遥大のスライダーをとらえた当たりは中前にはずんだ。これで近本はプロ6年目以内の通算安打を927とし、歴代1位で並んでいた
長嶋茂雄を抜き、単独トップとなった。ちなみに3位は
青木宣親(
ヤクルト)の905安打、4位は
赤星憲広(阪神)の891安打、5位は
長野久義(
巨人)の876安打。錚々たる面々を抑えて、近本が球界の頂点に立った。
新人時代の2019年から159、139、178、154、143と安打を積み重ねた。3年目までの476安打、4年目までの630安打、5年目までの773安打も歴代トップ。今年は記録樹立まで154安打を放っているが、これはセ・リーグ1位の数字。21年以来、2度目の最多安打のタイトル獲得も視野に入る。
前日の同カードで長嶋に並んだ際、「偉大な先輩の記録に並べたことも光栄。こうやって挑戦できていることが素直にうれしいです」と語っていた近本。誰よりも打撃を深く思考する求道者でもある。と同時に、チームの勝利が最優先であることを忘れない。10月、日本一に挑む戦いに身を置く可能性は高い。そこで、どれだけの安打を放っていくか楽しみだ。