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涌井秀章 投手 #16

躍進のカギを握る右腕

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 ロッテファンだけでなく、多くの野球ファンが新天地での涌井秀章に注目していることだろう。西武からFA宣言を行い移籍した右腕は、今季のチームの浮沈を占う存在。涌井の活躍次第ではリーグ優勝と日本一は十分に狙えるというのがチーム関係者の大方の意見だ。

 再起のために、意を決して環境を変えた。昨季は45試合に登板して5勝7敗7セーブ。沢村賞投手(09年)ということを考えればもの足りない。特にこだわりを持っていた先発としては満足な結果が出せず、チーム方針で救援へ。シーズン終盤に守護神として大活躍したものの、先発へのこだわりを捨てることはできなかった。

 ロッテは昨季、3年ぶりにAクラス入りしたものの、先発投手に泣かされた。故障や離脱が相次ぎ、チーム防御率はリーグワーストの3.77。完投勝利数もわずか3だった。完投能力のある先発投手の補強という構想と涌井が一致。さらに、昨季から指揮を執る伊東監督は涌井にとって西武入団時の恩師で、コーチ陣には大迫トレーニングコーチら旧知の存在が多いことも涌井の背中を押した。

 ただ、何と言っても一番の決め手は先発での起用を約束した“先発手形”だ。「先発としてしか考えていないと言ってもらった。本当に必要としてくれているんだなと感じた」。悩み抜いた結果、再び輝きを取り戻すための選択をした。「自分は千葉県出身。地元のために、ロッテのために頑張りたい。ここ2、3年はパッとしなかったけど、気持ちを入れ直すために新天地で頑張りたい」。背番号はプロ入り時と同じ「16」に決まった。まさに心機一転。完全復活のための環境は整っている。

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オーロラビジョン

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