
決して派手に目立つ存在ではない城所だが、好守にチームは何度も救われている
プロ15年目の外野守備職人は、日本一連覇を目指すチームにとって欠かせない。今季も開幕から終盤の守備固めと代走での出場を主にしている
城所龍磨だ。チームは昨季、プロ野球タイ記録となるシーズン最少失策(38)をマーク。守備率.993は、プロ野球新記録となった。質量ともに豊富な投手陣や強力打線に注目が集まりがちだが、常勝軍団を支える大きな武器が、守備力の高さ。その中でも、首脳陣から揺るぎない信頼を寄せられているのが城所のディフェンス力だ。
日本一を果たした昨年は、CSファイナルステージで値千金の仕事を果たした。チームはファーストステージを勝ち上がってきた
楽天に初戦からまさかの2連敗。守備固めや代走からの途中出場をメーンに生きてきた男は、第3戦に中堅のスタメンに抜てきされた。この試合も先制を許したが、まずは3回に
聖澤諒の飛球を好捕。5回にはピンチで左中間を襲った
ウィーラーの当たりを、俊足を飛ばしてスライディングキャッチしチームの逆転勝利に貢献した。この勝利で相手に傾きかけた流れを引き戻す、ビッグプレーとなった。
「守備と走塁だけは誰にも負けないと思ってやってきている。それが僕の武器なので」
チームではもう数少ない前身のダイエー時代の入団だが、主力の陣容にかかわらずその存在はチームに欠かせないものとなっている。城所がその高い守備力で、リーグ連覇と連続日本一に貢献する。
写真=高原由佳