
主力が相次いで離脱する中、クリーンアップを担う小園は欠かせない
9月に入って急降下したチームで、
小園海斗が光を放った。6日の
DeNA戦(マツダ
広島)に続き、14日の
ヤクルト戦(神宮)でも4安打の固め打ち。同日時点で月間打率は驚異の.388。3・4月に打率.053と打撃不振で二軍降格したが、7月の一軍復帰後は.295で、その状態は右肩上がりだ。
今季、遊撃レギュラーの座は不動のものになると思われた。しかし、フタを開ければ、シーズン序盤の二軍降格。一軍復帰まで2カ月半を要した。「全然、周りが見えていなかった。自分のことを考えていたというのはおかしいですけど、チームのためにできていなかった。(二軍では)そこを再確認できた」。技術以上に精神的にたくましくなって帰ってきた。
一軍復帰後は本職の遊撃以外もこなす。二塁スタメンで11試合。三塁では先発3試合のほか、試合途中からは21試合。昨季まで遊撃以外の先発出場は2020年の三塁での1試合だけだ。打撃好調とはいえ、遊撃のライバルとして
矢野雅哉、ベテラン・
田中広輔も控える。「僕のほうがレベルは低いと思っているし、まだまだ勉強することは多いと思う」。
8月12日に
秋山翔吾が故障離脱してから、9月8日の復帰以降も三番を任される試合は多い。「彼が持っているものは素晴らしいけど、まだまだ成長途中。もっとレベルアップできる選手」と
新井貴浩監督。
西川龍馬が右脇腹痛、
菊池涼介も左手親指痛でシーズン終盤にして登録抹消された。危機的状況の打線で、小園が背負う期待は大きい。序盤に期待を裏切った分、ここからポストシーズンにかけて借りは返す。
写真=BBM