
今季はここまで4勝に終わっている石田
厳しい現実が待っていた。
石田健大が奥歯をグッとかみ締めた。
「イニング途中での降板となり、中継ぎ陣に申し訳ないです」
9月9日の
ヤクルト戦(横浜)は苦しかった。初回、腰痛から復帰したばかりの一番・
塩見泰隆にプレーボール弾。4回までは最少失点で踏ん張ったが、5回に崩れた。投手の
小川泰弘から怒とうの6連打。一死も取れずに降板となり、さらに5点を与えた。
「高低もしくは、コースをはっきりするのか。間合いを空けたり、工夫しなくてはいけなかったです」と失点シーンを悔やみ、今季ワーストの10被安打で8敗目。13勝2分けだった本拠地の「デーゲーム不敗神話」も崩壊し、
三浦大輔監督も「不運な当たりもありましたけど、打たれすぎですね……」と顔をしかめた。
プロ2年目の2016年に自己最多となる9勝を挙げ、17、18年は2年連続で開幕投手を任された。「若い世代が引っ張っていくチームの象徴となってもらいたい」と期待を込めたのが当時の
ラミレス監督。19年からの3年間はリリーフでも計37ホールドを記録した。侍ジャパンの選出経験もあるマルチロール。求められた場所で左腕を振ってきた。
先発として自身3度目の大役を務めた今季も3、4月を2勝1敗、防御率1.13と好発進。好投しても勝ち星に恵まれない試合が続き、ここまで4勝止まり。このままでは終われない。引き分け以上なら自力でのクライマックスシリーズ進出が決まる9月29日の
阪神戦(横浜)に先発する。最後に意地を見せ、輝きを放つ時が来た。
写真=BBM