リーグ3連覇を決めたマウンドに、ベテラン守護神は立っていなかった。9月20日の
ロッテ戦(京セラドーム)、平野佳寿はベンチ入り登録を外れていた。
前日19日の同カードの9回に体調不良からの復帰登板を果たすと、一死から
安田尚憲に今季初被弾を許した。それでもリードを守り切り、今季26セーブ目をマーク。名球会入りの条件となる日米通算250セーブまで、残り「3」としていた。
12日に『特例2023』の対象選手として出場選手登録を外れていた39歳右腕は「その間も(チームは)勝ってくれていた。頼もしいなと思っていました」と強くなったチームに感心していた。
リーグ3連覇を成し遂げた歓喜の瞬間は一塁ベンチ奥で見守った。マウンドでは25歳右腕・
山崎颯一郎と捕手・
森友哉が抱き合う姿があり「良い光景でしたよね。球場も満員でファンの方々が(勝利を)後押ししてくれたと思います」と笑顔を見せた。
胴上げ投手については「もうね、誰になるか本当に分からないんでね。優勝できたら良いかなと思っています」と話していたベテランは、ブルペン陣をまとめる。
チームには山崎
颯を含め、
宇田川優希、
阿部翔太、
山岡泰輔、
小木田敦也ら150キロを超えるストレートを投じるリリーバーが多数いる。ベテランは「彼らの奮闘が、最後までペナントレースの行方を左右する。僕は与えられた場所で仕事をするだけなのでね」ときっぱりと言う。
優勝後も役割をまっとう。9月24日の
西武戦(京セラドーム)、27日の
ソフトバンク戦(京セラドーム)でセーブを挙げると、10月2日の
日本ハム戦(京セラドーム)で今季29セーブ目を挙げ、日米通算250セーブに到達。名球会入りを果たした守護神は、これからも表情を変えず、淡々と任務を遂行するのみだ。
写真=BBM