有藤通世(1946〜) 「野球が楽しいということはないです」 1969年に近大から
ロッテに入団した有藤通世が「ミスター・ロッテ」の称号を授かったのはプロ6年目の74年ごろ。当時の
金田正一監督が「
巨人における長嶋のような存在になれ」と激励の意味を込めて名づけたという。
1年目から定位置を獲得し新人王、ベストナインを受賞するなどチームの主力として頭角を現していたものの、その人柄はと言えば“ミスター”の華々しさに似合わぬ寡黙で朴訥(ぼくとつ)としたものだった。自身も当時のインタビューで「そういうのはどうも僕の性に合わない」と漏らしている。
もともと、入団前はプロ野球自体にほとんど興味を持っておらず、卒業後の進路も社会人野球を希望していた。地元・高知からプロ入りした選手の多くが大成することなく球界を去る姿を、たびたび目にしていたことが意識の根底にあったのだという。
ただ、そんな堅実派だからこそ若くして大きな看板を与えられて以降も、甘んじることなく真摯に野球に取り組み続けた・・・
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