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フルタイムで「全国大会1勝」を目指す意義 社業と野球を両立する企業チーム・島津製作所の挑戦

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京都市内の本社内にあるグラウンドはラグビー部と共用。後方にはポールが立っている[写真=BBM]


 都市対抗近畿地区二次予選を終えた5月末、就任13年目の島津製作所・三河隆信監督はミーティングを開いた。チームの方向性を再度、確認する必要性を感じたからである。

「もう一度、初心に戻ろう、と。私たちは毎日、仕事をして、週末は休まずに練習する。なぜ、そこまでしてやるのかと言えば、野球が好きだからです。現役選手として、ユニフォームを着られる時間は限られている。ならば、もっと頑張ろうや、と」

 島津製作所は1875年に創業した精密機器メーカーで、硬式野球部は1991年に創部した。地元・京都の北嵯峨高から94年に入社した三河監督は、医療機器事業部に配属。レントゲン線装置の製造部門に勤務する技術職だ。三河監督は強打の一塁手として18年プレーし、現役最終年はプレーイングマネジャーを務めた。

「私がさい配するわけですから、皆に認められないと試合に出場できません。一番、練習したかもしれません。失敗をし、年を重ねていくと気づくこともある。このころはチームとして目立った実績がなく、オープン戦の相手を探すのも大変な状況でした」

 あらためて、入社当時を回顧する。

「グラウンドは全面土、ネットも手づくりでした。(共用する)ラグビー部(トップウエストAに所属)の公式戦会場(左翼後方から中堅付近)であり、その後、芝生が植えられ、会社の理解もあって、高いネットも設置されました。会社の代表として、応援してもらえる野球部でないといけない。企業の看板を背負いながら、われわれも結果で恩返ししないといけない。活動できることに幸せを感じ、ようやくここまでくることができました」

技術向上を図る自主練習


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