ゴロをつかんだ三塁手の一塁送球はワンバウンドで、一塁手はワキの下でボールを挟む格好になりました。打者走者の一塁到達よりも早いので、タイミング的にはアウトですが、塁審の判定はセーフです。なぜでしょうか。 タイミングはアウトですが、ボールが一塁手のワキの下に挟まったままでは確捕とはならず、審判の宣告どおりにセーフです。規則2.15では捕球についてこう定義しています。
「野手が、インフライトの打球、投球または送球を、手またはグラブでしっかり受け止め、かつそれを確実につかむ行為であって、帽子、プロテクター、あるいはユニフォームのポケットまたは他の部分で受け止めた場合には、捕球とはならない」 ワキの下で受け止めたのでは
「他の部分で受け止めた場合」になり、捕球とはなりません。
10年8月1日の
広島対
巨人戦(マツダ広島)で、このプレーがありました。5回表に二死二塁で、巨人の
福田聡志が打った三塁ゴロを、広島の
小窪哲也が一塁へワンバウンド送球しました。一塁手の
岩本貴裕はワキの下でなんとかつかみましたが、捕球とは認められず一塁はセーフと宣告されました。広島の
野村謙二郎監督が4分間の強硬な抗議をしましたが、判定が覆るわけはありません。
規則2.15には続きがあります。とあります。
「また、ボールに触れると同時、あるいはその直後に、他のプレーヤーや壁と衝突したり、落球した場合は“捕球”ではない」とあります。また「野手が飛球に触れ、そのボールが攻撃側チームのメンバーまたは審判員に当たった後に、いずれの野手がこれを捕らえても“捕球”とはならない」 また、
「ダッグアウトの縁で飛球を捕らえようとする野手が、中へ落ち込まないように、中にいるプレーヤー(いずれのチームかを問わない)によって身体を支えられながら捕球した場合、正規の捕球になる」 とあります。