今から15年前、ジャイアンツに育成選手として入団した
山口鉄也が育成出身初となる新人王を獲得、WBCの日本代表にも選ばれて球界を代表する選手となった。同じくジャイアンツに育成選手として入団した
松本哲也は2009年にゴールデン・グラブ賞と新人王を獲得、2年続けて育成出身の選手が新人王に輝いた。
もちろん山口、松本の活躍は素晴らしかったし、それを讃えたい気持ちに一点の曇りもない。ただし、支配下登録選手枠の上限撤廃に向けての緊急避難だったはずのこの制度を、「山口、松本」の成功例が正当化してしまったことは否めない。一時的に導入したはずの育成選手制度は、球団にとっては多くの選手を安く獲得できる、じつに都合のいい仕組みだった。
最低年俸240万円、支度金300万円で獲得できる育成選手は当たれば儲けものの存在だ。実際、育成選手は“アマ以上プロ未満”に見える。一軍の公式戦に出場できず、二軍の公式戦にも1試合5人しか出られない。背番号は3ケタで選手会にも所属できない。いったいなぜ、わざわざ育成選手とカテゴライズされなければならないのか。支配下枠の上限を撤廃すれば済む話ではないのだろうか。
以前にもここで綴ったが、育成ドラフト4位でホークスから指名された
千賀滉大が、ドラフト9位ではなぜダメだったのかをきちんと説明できる人はいるだろうか。同じ育成ドラフトで5位だった
牧原大成はドラフト10位、育成6位だった
甲斐拓也はドラフト11位で良かったのではないか。ドラフト9位の千賀に“契約金300万円、年俸240万円”を提示したとして、本人が・・・
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