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レンジャーズファンの聖地 ボール・パーク・イン・アーリントン探訪記

 

ダルビッシュが奮闘を続けるレンジャーズファンの聖地、大草原が広がるアメリカ中西部に位置するテキサス・レンジャーズの本拠地「ボールパーク・イン・アーリントン」。古き良き時代のスタジアムを思い起こすたたずまいと、そこに集う陽気な市民たち。さらにはゲームのない時間帯に立ち寄りたいおすすめの見どころスポットをご案内する。
取材・文=松井進作、写真=桜井ひとし、BBM、AP

レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン


 成田からテキサス州にあるダラス・フォートワース国際空港までは毎日直行便が飛んでおり、所要時間は約11時間30分、時差は14時間(サマータイム)ほど。長いフライトを終え、空港から屋外に出ると、ジリジリと焼き尽くす灼熱の太陽が降り注ぐ。温度計は朝10時の時点で早くも40度! を指していたが、湿気がなくカラッとしているため日本の暑さとは別ものの気持ち良さ。そして見上げればどこまでも突き抜けた青空。遠くアメリカに来たんだということを感じさせてくれる。


 空港から車でハイウェイをひた走り、約30分でアーリントン市へ。現地に来る前は“テキサス”と聞いて荒涼とした大地をイメージしていたのだが、レンジャーズの本拠地である「ボールパーク・イン・アーリントン」は水辺のある緑豊かな公園に構えていた。“赤い夕焼け”ともいわれるテキサスの花崗岩で造られた外壁が、グリーンの公園に美しく映え、クラシカルなアーチ型の窓も特徴的。ほかにも長角牛の頭やローンスター(テキサス共和国時代を象徴する白い星。州旗や球団マークにもデザイン[されている)など、ボールパークの随所にテキサスの古典的な意匠が施されていた。

 そしてゲートをくぐれば、白髪のボランティアスタッフたちがとびっきりの笑顔で迎え入れてくれる。報道陣が利用するエレベーターを運転するおじいちゃん、チケットの番号を見て機敏に座席を案内してくれるおばあちゃん。いずれも地元のレンジャーズをこよなく愛する往年のファンだ。日本人と分かれば「ダルビッシュ!」と弾んだ声で、肩をポンとたたいてくる。そんな何気ないささやかなやりとりがうれしく、異国での不安もいつの間にか吹き飛ばしてくれていた。

ダルビッシュをはじめとした、メジャーファン垂涎のお宝グッズが球場内の至る所で手に入る


 ファミリーが多いのも特徴で、少年たちは背番号11のユニフォームを着てダルビッシュに大声援。時折、試合の合間に行われる子どもたちによる微笑ましいベースランニングも楽しく、一瞬にしてエキサイティングなボールパークが和やかな雰囲気に包まれるのもいい。

 なんとも懐の深いボールパークは、きっと1試合観戦するだけで愛しいものになる。なお、当日申し込みも可能な「ボールパーク・ツアー」に参加すれば、球場内のインタビュールームやベンチなども巡ることができるので、ダルビッシュ観戦で訪れた際はぜひ、その目で本場のボールパークを体感してみてほしい。

どこを歩いてもチームカラーの赤、青、白のTシャツを着たファンだらけ。テキサスっ子はみんなレンジャーズが大好き!


[球場DATA]
レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン
所在地/1000 BallparkWay. Arlington TX 76011
初公式戦年月日/1994年4月11日
広さ/左翼101.2m、中堅121.9m、右翼99.1m
フィールド/天然芝
収容人員/4万9170人

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