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特集・激動の「平成プロ野球」回顧録

松井秀喜が駆け抜けた輝く20年間の軌跡

 

時代を彩った稀代のスラッガーがいま静かにユニフォームを脱いだ

1989年1月8日、昭和から元号は「平成」になった。それから2013年で四半世紀。野茂英雄のメジャー挑戦やイチローの出現、球界再編にともなう新球団の誕生をはじめ、長き球界の歴史の中でもエポックメーキングな出来事が数多くあった。そんな激動の時代はいまも刻々と移り変わり、新たなスターが台頭する一方で、平成プロ野球を彩ってきた男たちも静かにユニフォームを脱いだ。2012年12月27日(日本時間28日)には松井秀喜が現役引退を表明。日米合わせて20年に及んだプロキャリアにピリオドを打った。平成四半世紀特集は、そんな稀代のスラッガーの輝かしい軌跡を秘蔵写真とともに振り返るところから始めてみたい。
文=池田哲雄(小社社長)、写真=BBM、AP















長嶋茂雄と作り上げたゴジラの野球人生が終わった


 巨人ヤンキースなどで活躍した松井秀喜外野手が、20年間に渡る現役生活にピリオドを打った。2012年12月27日(現地時間)、ニューヨークのホテルで行われた記者会見で正式に引退を表明した。約45分間、松井らしくさわやかに最後は、ジョークを織り交ぜて締めくくった。

「頑張ってきたつもりですけれど、そんなに苦労してきたかな、と思うと別にそうでもない気がします。もう少しいい選手になれたかも、ですかね」

 会見の途中、20年間で最も印象深いシーンを聞かれ、少し間を置いて、「いっぱいありますね。やはり長嶋監督(現巨人終身名誉監督)と2人で素振りをした時間ですかね。それがボクにとって一番印象に残っているかもしれない」と答えたとき、松井の目に熱いものが光った。

 長嶋監督から受けた打撃指導の話になると、松井の視線は打席で相手投手を睨み付けたときのように鋭くなる。

「すごいよ。長嶋さんという人は・・・

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