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日本中に楽天旋風を巻き起こした2013年シーズンを経て、次に見据えるのは日本一連覇の頂。絶対的な存在だった田中将大が抜けた中で情熱の指揮官はどうチームを束ね、V2への青写真を描いているのか。かつて中日で星野監督の下でプレーし、明大の後輩でもある武田一浩氏がその核心に迫った。
取材・構成=小林光男、松井進作 写真=荒川ユウジ、桜井ひとし(インタビュー)

真価が問われる1年




武田 2014年シーズンの開幕が迫ってきましたが、昨年と比べてチームの雰囲気はいかがですか。

星野 キャンプのときからすごく感じていることだけど、チームが明るくなったよね。それは間違いなく昨年の、間違ってというか、あの不思議な優勝を経験したことで生まれた自信みたいものなんだろうな。

武田 昨年の日本一は不思議だったんですか?

星野 不思議だよ。俺にしてみたら不思議な不思議な2013年だったよ(笑)。だって開幕前なんかはソフトバンク西武オリックスが強いぞって言われていて、ウチなんかはそれこそ4番手、5番手ぐらいの評価だったろう。そんなチームが日本一までいったんだから。やっぱり野球はやってみないと何が起こるか分からないし、面白いよな。

武田 僕に8月ぐらいに球場でお会いしたときに「これ、優勝するかもしれないぞ」ってボソッと言われていましたよね。

星野 ああ、言ってたな。

武田 それから会うたびに「なんで強くなったのか分からない」と(笑)。

星野 俺はそこで「監督の力でしょ」ってお前にずっと言ってほしかったんだよ(笑)。

武田 あっ……(苦笑)。

星野 お前は本当に気が利かないヤツだよな(笑)。いつその言葉を聞けるかと思っていたのに。

武田 大変失礼しました(笑)。それでも昨年の楽天はシーズン中盤からどんどん強くなっていきましたよね。

星野 そうだな。本当に夏の甲子園の高校生みたいに勝っていくうちにどんどん強くなっていったよな。

武田 優勝候補だったソフトバンクやオリックスが失速して、するりするりと楽天が首位に立っていました。

星野 他のチームのリズムが悪い中で、ウチがそこで確かに勢いに乗れた部分はあった。あとは、とにかく選手がひたむきだったよな。1つ勝つのに貪欲だったし、その積み重ねが最終的に実を結んだんだと思う。

武田 でも、こんなこと言ったら失礼かもしれませんが、僕はさすがに日本シリーズは勝てないだろうと思っていました。監督自身は正直、あの巨人に勝てる自信はあったんですか? 本音の部分が聞きたいです。
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