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個性派投手とともに将来性のある若い野手がランクインを果たした3位グループ。
特に高校生はこれからの実績で一気に飛躍する可能性を秘めている。中村スカウトの短評とともにお届けする。


25位 福本翼[青学大]
ふくもと・つばさ[投手]184cm/65kg/左投左打/1992.7.31生
選手のタイプ: 田中健二朗(横浜DeNA)
経歴: 大阪・大阪桐蔭高


合計 81.0点
球速 16.0
変化球 116.5
制球力 16.5
精神力 16.0
将来性 16.0

期待度高い東都の大型左腕
名将・河原井正雄監督から新チームのエースとして期待を受けていたが、2月に右足首を骨折して出遅れた。長身のスリークオーター左腕で、キレのある直球とカーブ、スライダー、チェンジアップと緩急を駆使して打者を打ち取る技巧派スタイル。アクシデントから始まったラストイヤーだが、チームを下位争いから何とか押し上げたい。

中村メモ
「この春はエースとして期待されたが右足首骨折により出遅れたのが痛い。武器となる直球、スライダーのキレをさらに磨きたい」
26位 加藤貴之[新日鐵住金かずさマジック]
かとう・たかゆき[投手]182cm/82kg/左投左打/1992.6.3生
選手のタイプ: 宮西尚生(北海道日本ハム)
経歴: 千葉・拓大紅陵高


合計 81.0点
球速 16.0
変化球 116.0
制球力 15.0
精神力 16.0
将来性 18.0

日米が注目する異色サウスポー
投手だった拓大紅陵高時代は甲子園経験がなく、新日鐵住金
かずさマジックには内野手として入団した異色の経歴を持つ。3
年目に投手に再転向し、セットアッパーとして都市対抗4強、そし
て日本選手権優勝に貢献している。長身のスリークオーター左
腕は、両コーナーへ決める制球力、変化球を交えた緩急で勝負
する。

中村メモ
「高卒4年目の社会人で、その球速は特筆すべきものではないが、制球力に成長の跡を見せる。経験次第で大化けもあるか」
27位 糸原健斗[明大]
いとはら・けんと[二塁手]175cm/73kg/右投左打/1992.11.11生
選手のタイプ: 今浪隆博(東京ヤクルト)
経歴: 島根・開星高


合計 81.0点
打力 16.5
守備力 16.0
走力 16.0
精神力 16.0
将来性 16.5

センス光る万能型内野手
開星高時代には2年春、3年春夏と3度甲子園に出場した。当時から卓越した打撃技術には定評があり、計4試合で打率.333の好成績を収めた。明大では3年春からレギュラーに定着し、広角に打ち分けるバッティングでベストナインにも選出されている。守備では三塁、二塁と複数ポジションを守れる万能性を持っている。

中村メモ
「内野では複数ポジションをこなせる器用さあり。打順が固定されず、さまざまな役割を担う中、対応できるユーティリティープレーヤーだ」
28位 田中英祐[京大]
たなか・えいすけ[投手]180cm/75kg/右投右打/1992.4.2生
選手のタイプ: 岡本洋介(埼玉西武)
経歴: 兵庫・白陵高


合計 81.0点
球速 16.0
変化球 16.0
制球力 16.0
精神力 16.0
将来性 17.0

スマートな“国立の星”
リーグ戦で結果を出し続け、評価を上げている“国立の星”だ。6球団のスカウトが見守る中で投げた5月6日の同大戦では、自身2年ぶりの完封で大学通算7勝目をマークした。細身の体を目いっぱい使ったフォームから、最速148キロのストレート、カーブ、スライダー、フォーク、ツーシーム、カットボールと、さまざまな球種を投げ分ける頭脳派。

中村メモ
「球筋が良く、キレのある直球を投げる右腕。スライダーも良く、淡々と投げる姿が印象的だが、ときには打者を圧倒する威圧感も必要だろう」
29位 飯田哲矢[JR 東日本]
いいだ・てつや[投手]182cm/79kg/左投左打/1991.3.28生
選手のタイプ: 山田大樹(福岡ソフトバンク)
経歴: 神奈川・藤沢翔陵高-亜大


合計 80.5点
球速 18.0
変化球 16.0
制球力 14.5
精神力 16.0
将来性 16.0

頼れる左の実戦派
亜大では4年間で15試合に登板して2勝1敗。東浜巨(現福岡ソフトバンク)、九里亜蓮(現広島東洋)といった先発完投型の絶対的な存在がいたからだ。JR東日本では1年目から登板機会に恵まれ、プロとの交流戦(巨人、北海道日本ハム)でも好投を見せ、いずれも勝ち投手に。球速こそないが、落差のあるカーブなど組み立てで勝負する実戦派。

中村メモ
「社会人の名門に進み、存在感を発揮しつつある左腕。まだまだコントロールに難があり、カーブの精度を高めることが必要だ」
30位 山岡就也[広島新庄高]
やまおか・しゅうや[投手]173cm/70kg/左投左打/1996.4.17生
選手のタイプ: 田口麗斗(巨人)


合計 80.5点
球速 16.0
変化球 18.0
制球力 16.0
精神力 14.5
将来性 16.0

スライダーで幻惑するタフネス左腕
昨夏のエース・田口麗斗(現巨人)の夢を引き継ぎ、チームをセンバツに導いたライアン。右ヒザを肩につくまで高く上げるダイナミックなフォームが特徴で、球速は常時130キロ台中盤ながら、フォームの特異性とリリースの長さ、森福允彦(福岡ソフトバンク)を思わせるスライダーで打者を幻惑する。センバツでは3試合32回423球を投げるタフさもあり。

中村メモ
「左対左で威力を発揮するスライダーは評価できる。決して大きくない体を最大限に生かしてダイナミックに投げ込むスタイルがいい」
31位 倉本寿彦[日本新薬]
くらもと・としひこ[遊撃手]180cm/82kg/右投左打/1991.1.7生
選手のタイプ: 坂克彦(阪神)
経歴: 神奈川・横浜高-創価大


合計 80.5点
打力 16.0
守備力 16.5
走力 16.0
精神力 16.0
将来性 16.0

成長続けるショートストップ
横浜高時代には甲子園に2度出場。3年夏には「一番・三塁」で4強入りを果たした。創価大では1年春からリーグ戦に出場し、4年時には主将として全日本大学選手権に出場している。三拍子そろった技巧派で、とくに守備力に高い評価が集まっている。塁上で見せるスピード、そして頭脳的プレーも持ち味の一つだ。

中村メモ
「その守備力は社会人でトップクラスと言えそう。進塁打、つなぎの打撃がしっかりとできれば、プロでも貴重な戦力となるはずだ」
32位 福田将儀[中大]
ふくだ・まさよし[外野手]174cm/76kg/右投右打/1992.4.17生
選手のタイプ: 赤松真人(広島)
経歴: 千葉・習志野高


合計 80.0点
打力 16.0
守備力 18.0
走力 16.0
精神力 14.0
将来性 16.0

脚力生かすバイプレーヤー
まず評価できるのが脚力を生かした広い守備範囲と、返球時に見せる強肩だろう。習志野高時代には2年春のセンバツで本塁打をマークしており、決して大きくない体には力がみなぎっている。中大では1年春から試合に出ており、キャリアも豊富。打撃面でもうひと伸びできれば、貴重な右の外野手としてのニーズはさらに高まりそうだ。

中村メモ
「脚力を生かした守備がまず評価の対象となり、その力は塁上でも発揮できる。したがって課題は一つ、打撃での確実性だ」
33位 伊藤優希[駒大苫小牧高]
いとう・ゆうき[外野手]175cm/68kg/右投右打/1996.8.31生
選手のタイプ: 武田健吾(オリックス)


合計 80.0点
打力 16.0
守備力 16.0
走力 16.0
精神力 14.0
将来性 18.0

攻守走にセンス宿る外野手
50メートル5.8秒の俊足を生かしたスピード感あるプレーが持ち味。苫小牧ボーイズ所属の中学3年時にはU16日本代表に選ばれて世界選手権に出場し、3位の実績を持つ。今春センバツでは2試合4安打とシュアな打撃を披露しつつ、1回戦の創成館高戦では二盗、三盗と立て続けに成功させる積極性も。広い守備範囲を誇る中堅守備も◎。

中村メモ
「ミート力、そして守備での一歩目は、大学、社会人選手に負けないほどの実力。春の甲子園で評価を上げ、今後の成長度に注目だ」
34位 立田将太[大和広陵高]
たつた・しょうた[投手]181cm/82kg/右投右打/1996.6.4生
選手のタイプ: 岡大海(北海道日本ハム)


合計 80.0点
球速 18.0
変化球 16.0
制球力 14.0
精神力 14.0
将来性 18.0

重いストレートに可能性大
小、中と全国制覇を経験し、葛城JFKボーイズ3年時にはU16日本代表で世界選手権に出場、最優秀防御率賞を獲得している。甲子園は昨春センバツのみだが、最速149キロ右腕への注目度は高く、春季奈良大会初戦(御所実高戦)には6球団のスカウトが視察。143キロの重いストレートを披露し、「順調」と各球団スカウトの評価を高めている。

中村メモ
「投げる、打つという基本動作に素材の良さを感じさせる。ただ、プレーにやや淡白さを感じる面も。もっと粘り強さを出していきたい」
35位 栗原陵矢[春江工・坂井高]
くりはら・りょうや[捕手]175cm/67kg/右投左打/1996.7.4生
選手のタイプ: 森友哉(埼玉西武)


合計 79.0点
打力 16.5
守備力 16.0
走力 14.0
精神力 14.0
将来性 18.5

三拍子そろう高性能捕手
福井ブレーブボーイズで地肩の強さを買われて遊撃手から捕手に転向。春江工高1年秋には四番・正捕手を任され、打率.529の福井大会で準V、同.615の北信越大会優勝、神宮大会ではセンバツV校となる浦和学院高を下して注目の存在に。50メートルは6.2秒、遊撃手出身だけあってフットワークも軽い三拍子そろった左打ちの捕手である。

中村メモ
「守りで学ぶべきことはまだまだ多く、さらなる体力強化も必要。それでも打席で見せるミート力には天性のものを感じさせる」
36位 西山天翔[熊本工高]
にしやま・てんしょう[遊撃手]182cm/72kg/右投左打/1996.7.18生
選手のタイプ: 西岡剛(阪神)


合計 79.0点
打力 16.5
守備力 14.5
走力 16.0
精神力 16.0
将来性 16.0

スケール感示す大型遊撃手
打力を備えたスケールの大きな遊撃手。熊本工高OBの内野手では荒木雅博藤村大介が現在プロ野球界で活躍中だが、打力では飛び抜けている。昨夏の甲子園からレギュラー番号を背負い、2試合2安打とシュアな打撃で注目を集めた。目下の課題は、新チーム後にコンバートされた遊撃守備。スローイング技術の向上が飛躍のカギを握る。

中村メモ
「守備が安定しており、高校レベルではトップクラスの“打てる内野手”。スピードを生かしたプレースタイルをさらに磨きたい」
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