第2章を迎えた大谷翔平の二刀流挑戦。今シーズンは投手としては開幕から先発ローテに定着し、5月13日の西武戦(函館)では158キロを計測。その後も圧巻のスピードボールを連発し、6月4日の広島戦(札幌)では、自己最速となる160キロを計測。2008年にマーク・クルーン(横浜)が記録した日本最速162キロの更新にも期待がかかる。末恐ろしいまでのポテンシャルを秘めた男が見据える未来にはどんな景色が広がっているのか。160キロの衝撃は、まだ見ぬ新たな速球王伝説へのプレリュード(前奏曲)にしかすぎない。 取材&構成=松井進作、池田晋、写真=神山陽平(インタビュー)、桜井ひとし、高原由佳 速い真っすぐはピッチングの生命線
──球界200人の現役選手、監督・コーチ、OBに「史上最強の速球王は誰?」とアンケートを行ったところ、9票で全体では
5位。NPB所属の現役日本人選手では1位にランクインしました。
大谷 ありがとうございます。プロの方々からそういった評価をいただけたことは純粋にうれしいです。
──5月13日の西武戦(函館)では158キロを計測。昨年よりもスピードがアップした要因は、ご自身ではどのあたりにあると考えていますか。
大谷 昨年11月の秋季キャンプから投手としてのメニューを増やしてやってきたのと……あとはフィジカルトレーニングの成果も出てきてくれているのかなと。でも、スピードが平均的に上がってきたのはつい最近のことなので。これからも少しずつレベルアップしていければと思っています。
──スピードへのこだわりはありますか。
大谷 そこは僕の持ち味であり、良いところでもありますから、追い求めていきたい部分ではあります。ただ、それだけではダメなので。本当にピッチャーとしてもまだまだですし、スピード以外にも変化球の精度をはじめ、コントロール、クイックモーション……それこそ課題を挙げればたくさんありますから。その1つとして、速い真っすぐも磨きをかけていければなと。
──数ある球種の中で速い真っすぐというのは大谷選手にとってどんなボールですか。
大谷 今シーズンは昨年よりも多く投げていますし、現状では一番頼りになるボールですね。逆に言えば変化球がまだあんまり信頼できないということですけど(苦笑)。ただ、僕のピッチングの生命線とも言えるボールなのは間違いないです。
──ご自身の中で理想の真っすぐの基準はどこに置いていますか。
大谷 ある程度のスピードも必要ですけど、一番は・・・
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