初球からでも積極的に
悩む前にまずスタート！

　昨季までの7年で通算13盗塁。その俊足は知られていても盗塁王争いでは伏兵の存在だった。だが今季は開幕から走りまくり38盗塁とトップを守り続けている。レギュラーに定着した梶谷隆幸が、自身にとって初めてのタイトル獲得に向け突っ走っている。

　昨季は8月にブレークし、以降の2カ月間で16本塁打とすさまじい長打力を見せつけた。一方で盗塁は成功が7、失敗が4。足を生かす場面は多くはなかった。外野手に転向した今季もまず注目されたのは打撃だ。だが開幕してから期待された本塁打の数はそう増えず、足でチームにチャンスをもたらしてきた。

　梶谷が目指すのは攻・守・走そろい、チームの勝利に貢献できる選手だ。「将来的にはトリプルスリーを狙いたい」。日本のプロ野球では過去8人しか達成していない「3割、30本、30盗塁」の偉業を目標に掲げている。

　島根県松江市出身。シーズンオフには元広島、阪神の金本知憲氏も通い、開星高時代にも指導を受けた広島市内のジム「アスリート」で体を鍛える。金本氏は広島時代の2000年にトリプルスリーを達成した。その偉大な先輩に、いつか追いつくことが大きな夢だ。

「自分は考え出すと悩んでしまう・・・