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2014シーズン、日本プロ野球最高峰の戦いは結局、4勝1敗でソフトバンクに軍配が上がったが、両チームともに自らの能力を最大に発揮してプロ野球ファンにアピールした男がいた。日本シリーズで鮮やかな印象を残したプレーヤー。本誌が選ぶMVPはこの2人だ!

ソフトバンク 本誌MVP
柳田悠岐外野手


 初めての日本シリーズ。ソフトバンクの一番打者を務めた柳田悠岐は、一振り一振りに魂を込め、バットを振って、振って、振りまくった――。たとえバットが空を切ったとしても、それは、見ていてすがすがしいほどの豪快なスイングだった。そして、その積極的な打撃スタイルはいつもと何ら変わりなかった。

 3月28日のロッテとの開幕戦(ヤフオクドーム)は「七番・中堅」でスタメン出場を果たした。5月末に内川聖一がケガで離脱すると、約1カ月間は三番を任され、その後は五番と六番も務めた。長打力のある柳田には、常に走者をかえす役割が求められた。

 しかし、9月20日の西武戦(西武ドーム)で初めて一番打者に抜てきされると、高い出塁率を買われ同24日の楽天戦(ヤフオクドーム)から10月2日のオリックスとの最終戦(同)までは、すべて一番で起用。10月15日からの日本ハムとのCSファイナルステージ(ヤフオクドーム)でも、全6試合で一番を任されると25打数7安打、3打点、打率.280、出塁率.333の好成績を残した。そして、今回の日本シリーズである。

 甲子園での1戦目は、6回に左翼へ初安打を放つと、7回二死二塁の場面では右前へタイムリー。シリーズ初出場ながら初戦で2安打をマークし存在感を放った。そして、ここからが柳田の真骨頂である。2戦目から3試合連続で初回の打席に安打を放ったのだ。2戦目は能見篤史、3戦目は藤浪晋太郎、4戦目は岩田稔から。いずれも先制のホームを踏んでいる。さらに、日本一を決めた5戦目でも8回に右前打で出塁し、松田宣浩の一打で生還。決勝点をお膳立てした。藤井康雄打撃コーチが「キーマンになる」と話していたスラッガーは、しっかりとその期待に応えてみせた。

▲第2戦[写真]、第3戦、第4戦と初回の先頭打者で出塁して、いずれも先制のホームを踏んだ柳田。一番打者として素晴らしい活躍を見せた



 超人・糸井嘉男に弟子入りし・・・

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