今季、沢村賞を獲得した金子。日米野球を経て、どのような決断を下すか注目される
主力選手がメジャー・リーグ移籍をするかしないか。その有無はチームの根幹を揺るがす大問題だ。今オフはポスティングシステムで金子千尋(オリックス)、海外FA権で鳥谷敬(阪神)のメジャー移籍がウワサされているが、彼ら、さらに日本人選手のアメリカ球界での評価は一体どういったものなのだろうか――。 求められる先発投手
昨オフは無傷の24連勝で
楽天の日本一に貢献した
田中将大が新ポスティングシステムを利用し、7年総額1億5500万ドル(約160億円。当時のレート)の巨額契約で
ヤンキース入り。
後半戦は右ヒジじん帯の部分断裂でほぼ棒に振ったものの13勝5敗、防御率2.77の好成績。特に前半戦はエース級の働きでオールスター戦に選出される活躍だった。
田中以外でも
岩隈久志(マリナーズ)が自己最多の15勝をマーク。
黒田博樹(ヤンキース)が11勝、
ダルビッシュ有(レンジャーズ)が10勝を挙げた。1シーズンで初めて日本人4投手が2ケタ勝利を飾り、あらためて日本のプロ野球で実績を残した投手の質の高さを示した。
もちろんメジャーには日本人選手より体格、身体能力で勝り、常に150キロを超える速い球を投げる投手はたくさんいる。ただ日本人選手の長所は「パッケージ」で優れているところにある。「直球や変化球にキレがあり、制球力を持っている。盗塁を許さないためのクイックモーションやけん制、フィールディング、送球、カバーリングなど投球以外の部分でも高いレベルで鍛え上げられている」というのがメジャー・リーグの一貫した評価だ。
各球団にとって日本は即戦力の先発投手を発掘できる「無視できないマーケット」として、シーズンを通してスカウトを派遣させている。
スプリットが高く評価されている金子
ここにきてが然注目を浴びているのが今季パ・リーグでトップの16勝、防御率1.98で沢村賞に輝いた金子千尋(オリックス)だ。
昨オフの契約更改交渉の席でメジャーでのプレーに関心があることを球団に伝えていたという。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ敗退後の10月24日、サンフランシスコでワールド・シリーズを観戦し、実際に本場の雰囲気を肌で感じ取った。数日後「球場の雰囲気は好き。あこがれの場所でやってみたい気持ちは変わらずに持っています」と包み隠さずメジャー志向を打ち明けた。
金子は田中将と同様、多彩な変化球を持っている。ある球団のスカウトは・・・
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