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シーズン記録に到達した191安打目はバットを折りながらの技ありの左前打だった



今季ブレークを果たしたヤクルト山田哲人は、日本人右打者のシーズン最多安打記録を更新し、最多安打のタイトル、ベストナインを受賞した。もちろん、記録達成となる安打数は素晴らしいが、評価すべき点はまだまだある。山田が残した数々の記録を知れば、野球ファンの記憶に刻まれたその理由が分かる。

安打量産にうもれた数々の記録


 2014年、最下位に低迷したヤクルトだが、チーム打率.279はリーグトップ。その中でひときわ輝きを放ったのが、山田哲人だ。高卒4年目の22歳がマークしたのは、1950年に藤村富美男(元阪神)が記録した日本人右打者のシーズン最多安打記録191を塗り替える大偉業だ。

 開幕から量産し続けた安打の数は193。しかし今季の活躍は安打数だけではない。一番打者としての役割を全うし、記録を作ったところに山田の成長があり、記録達成の尊さが感じられる。ここではチームの先輩である青木宣親がかつて背負った23番を身にまとい、安打製造機と化した男がマークした数々の記録に迫る。

 今となっては有名な話だが、山田がこれだけの安打数を生み出す要因のひとつに、ティー打撃がある。一軍打撃コーチを務めた杉村繁コーチのアドバイスで始めたという10数種類にも及ぶティー打撃を全体練習前に欠かさず行う。横浜時代には内川聖一を、ヤクルトでは青木を育て上げた杉村コーチは「(山田は)レギュラークラスになれる選手だと思った」と期待をこめ取り組み始めた。そして1年間続けたことが今季の安打数へとつながった。

 しかし、山田はただひたすらに安打のみを量産していたわけではない。しっかりとチームの勝利のために、働き続けた・・・

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