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15年シーズンの大学球界は、安打記録に注目が集まる。東京六大学の明大・高山俊(4年・日大三)、立大・大城滉二(4年・興南)だ。15年春の積み上げ次第では同秋、明大・高田繁氏(64〜67年在籍)の持つ127安打更新に期待がかかる。この2人のほかにも、15年は有力打者が多い。投手も左腕2人の評価が高い。(学年表記は2015年4月以降の新学年)
文=岡本朋祐

好不調の波が少ない
唯一怖いのは故障のみ


 127安打。高山俊はもちろんのことだが、野球部を挙げてこの数字を意識している。記録保持者がOBの高田繁氏(DeNA・GM)ということも、少なからず影響しているかもしれない。

 2008年から母校を率いている善波達也監督は、超異例の“待遇”でバックアップ。高山は1年時に背番号「38」を着け、2年時は「9」。そして3年春は「38」へ戻った。日大三高で3年夏に全国制覇を遂げたスラッガーは、1年春に20安打を放つと、2年時終了までに62本を積み重ねた。チームの勝利が大前提も「常に意識させておかないといけない」と、善波監督は3年時までの100安打を照準に、残り本数の「38」を背負わせた。

 同春に19安打をマークすると、秋は「20」。「19」の選択肢もあったが、投手ナンバーということで「100本を超えろ」と上方修正。2季ぶりのリーグ優勝を遂げた14年秋は19安打と、100安打でシーズンを終えた。高田氏は3年秋の時点で97安打、大台を突破したのは六大学史上初の偉業だ。

「(記録は)滅多にできるものではなく、そういう立場に立てるものでもない。最上級生としてチームを引っ張り、大学では味わっていない日本一に貢献した上で、個人として記録が達成できたらうれしいです」

 注目は15年春の背番号だ。善波監督は「(監督が着ける)30でなくて良かった」と冗談交じりに語りながら、春のナンバーは熟考する姿勢を見せた。高田氏超えの「28」が有力も春達成には現実的な数字でなく、秋へのステップのためにも、14年秋に続き「20」を継続する考えもある。

 高山を意識しているのは、同じ4年生の立大・大城滉二(興南)だ。こちらも高校2年時に夏の甲子園で全国制覇を経験しており、実績は申し分ない。高山が1年春から不動のレギュラーに対して、大城は同春の途中から遊撃の定位置を奪取。1年春こそ規定打席に到達できなかったが、3年秋まで6シーズン連続打率3割。94安打を放っており、通算打率では高山(.317)を上回る.347と、安定感ではライバルよりも上だ。

「本数よりは一番の仕事をまっとうしている」と、リードオフマンとしての役割に専念。だが、高山の話題を向けると「本数が近いですし、負けたくない思いはある。良い刺激になっています」と鋭い目で語った。


▲明大・高山[上]は14年秋の終了時点でちょうど100安打、立大・大城も94安打と追随している。左右の安打製造機が15年春、神宮を盛り上げる



 この2人以外にも、15年の大学球界には好打者がそろう・・・

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