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練習始動日のランニングでは先頭を走り、意欲を見せる吉田(写真右から2人目)。オフは「ストレートを追い求めたい」と徹底した走り込みを行っている



スライダー頼みからの脱却が今冬のテーマ


 年明けに降った雪がまだグラウンドに残る1月5日、東海大相模高が新年始動した。注目は昨夏の甲子園で2年生ながら早くも「15年のドラフト上位候補」と高評価を受けた右腕・吉田凌と左腕・小笠原慎之介のダブルエース。中でも兵庫・北播シニア時代に100校超の高校から声がかかった吉田は「甲子園で優勝するためにここに来た」と「夏一本」のラストチャンスへ闘志を燃やす。

 4社の報道陣、NPB2球団のスカウトが視察に訪れたこの日。一連の取材対応を終えると、黙々と汗を流す吉田の姿があった。外野のポール間を、自転車で何十往復もペダルをこぐ。グラウンド隣の陸上トラックでは何種類ものダッシュ。ほかの投手陣が遠投、フィールディングをこなす中、吉田はボールを握らず一人走り込む。13時から日が暮れるまで終始、下半身強化に専念していた。

 最速151キロにカーブ、横と縦変化のスライダーを持つ右腕が飛躍したのは昨夏の県大会決勝戦(対向上高)。大会タイ記録となる毎回20奪三振の快投で、4年ぶりの夏甲子園へ導いた。全国舞台でも勢いは続く。救援登板した盛岡大付高との1回戦で、2イニングを打者6人から3奪三振。密着マークを続けるあるスカウトは「あの縦スライダーは右の松井(裕樹、現楽天)に匹敵する。プロでも通用する」と絶賛。吉田の伝家の宝刀は、1年夏に喫した苦い思いから磨き続けてきたボールである・・・

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