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プロ顔負けの部員による手作業でスタンド、フェンスの塗装を昨年12月から行ってきた。一人では決してできず、チームの和を再認識。野球につながる大切な時間となった



人生の選択が正解だったことを証明する、勝負の1年


 新日鐵住金君津球場の照明に灯が入った。全体練習後、作業着に身を包んだ部員が外野フェンス沿いに散る。12月から始まったペンキ塗装も、内野スタンド部分を終え、いよいよ作業も終盤だ。32人のメンバーの一人・加藤貴之は「午前中が仕事で、午後から練習ですが、12月はほとんどできなかったんです」と苦笑いを浮かべながらも、達成感ある表情。練習だけでは経験できないチームの和を再認識する、大切な時間となった。

 人生の選択が正解だったことを証明する、勝負の1年が始まった。始動日の1月5日、加藤は目標を語る。

「公式戦で、1試合も負けたくない。都市対抗と日本選手権の優勝を狙います。僕はかずさマジックに何も残していない。負けたままでは行けません。勝った上で、プロへ行きたい」

 高卒5年目を迎えるが、実質的には3年目と言っていい。拓大紅陵高から加入した11年は野手登録(一塁)。高校の先輩でもある鈴木秀範監督は、3つの理由を明かしてくれた。

「骨格ができるまでは、投手のトレーニングをしても本物にはなれない」が表向きも「投手は基本別メニューで、投げない試合では目の届かない場所にいることが多くなる。野球の勉強をさせる意味でも近くに置いておきたかった」と親心をのぞかせる。さらにもう一つ、同期加入の右腕・岡本健(神戸国際大付高、現福岡ソフトバンク)の存在があった。

 甲子園経験のない加藤に対し・・・

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