週刊ベースボールONLINE

プロ野球2015 挑戦者たちの物語

柳田悠岐インタビュー「今年への期待は…ズバリあります!」

 

キャンプについては「今は1日1日の練習をしっかりやるってことだけを考えています」と語る



──昨季届かなかったのは15本に終わった本塁打だけです。キャンプの打撃練習では昨季以上に飛距離がある打球を放っています。

柳田 まだキャンプなんで、何とも言えないですけど、しっかりケガなく、トレーニングも練習もやっていればレベルアップはできると思います。去年の経験、その前の年の経験も頭に入れてやっていけば、結果は残ると信じてやっているんで、今は1日1日の練習をしっかりやるってことだけを考えています。その先、結果がどうこうというよりも、その日の練習を一生懸命やって、少しでもレベルアップすればいいのかなという思いです。

──それにしても連日、ものすごい練習量ですよね。活躍してさらに増えているのではないですか。

柳田 そんなことないです。別に変わっていないと思いますけどね。ただ、中身は良くなっていると思いますよ。いろいろ経験させていただいているので、同じ練習でもこうやった方が意味があるんじゃないかとか、そういうのは少し分かるようになったのかなと思います。

──今キャンプでは王貞治氏、松中信彦選手から「打球の回転」についてアドバイスをいただきました。

柳田 単純に打球の角度がつくっていうところだと思ってるんですけどね。僕も状態が良いときはそれができる、分かる気がするんですけど、悪くなるとどうしてもバランスとか軸がブレたりします。そうすると「どうやって打つか分からんわ」っていうときもあるんで、その波を少なくしていけばもっと打てると思うんですけどね。そこが毎年安定して成績を残している選手と違うところだと思います。

──例年、キャンプではロングティーを数多く行いますが、そのポイントはどこにあるのでしょうか。

柳田 それもボールの回転ですね。ロングティーはしっかり力を出して良い回転で飛ばそうと思ってやっています。ボールの上っ面をたたいて、ドライブしていく打球はダメで、ボールが伸びていく回転をかけて、バーって上がっていくような打球を打ちたいですね。それでちょっとしたコツをつかむっていうのがあります。

自分への期待、あります


 今季が入団5年目。残してきた成績を振り返れば、順調に成長してきていると言える。だが、柳田悠岐が求めるのは、さらに上のレベル。自分への期待感はまだまだ膨らむばかりだ。

──今季、どのような成績を残したいと考えていますか。

柳田 最低でも去年の成績よりは残したいと思います。打率もホームランも打点も盗塁も。全部伸ばしたいです。

──打順に関して、工藤公康新監督は「五番構想」を口にしていますが、柳田選手の希望は?

柳田 僕は試合に出られれば何番でもいいです。

──こだわりは?

柳田 ないですね。

──昨季終盤からCS、日本シリーズ、日米野球と一番での活躍が目立ちましたが、打ち心地はいかがでしたか。

柳田 いやー、特にないっすね。コーチとか監督にも普通に自分のバッティングだけしてくれればいいからと言っていただいたんで、特に一番だからこうしようとかはなかったんです。だから何番でも一緒ですよ。自分のバッティングをやるだけです。

──それでも打順によってチーム打撃、ケース打撃が求められそうですが。

柳田 去年で言えば、右打ちが1回出たのは覚えていますけど、それくらいじゃないですかね。あとはサインも出ていないと思います。多分、ヘタクソだからじゃないですかね。チームバッティングって難しいんですよ。レベルの高い技術です。

──それを求められる選手になりたいのか、それを超越した選手になりたいのか、そこはいかがでしょう。

柳田 やっぱりそれが必要な状況は出てくるので、そういう技術を身につけたいと思います。そこは必要なところなんで。バッティング練習でもそういうのを入れたりしていますけど、難しいですね。

──今年、チームは2年連続の日本一が目標になります。その中でどのような働きをしたいですか。

柳田 打つ、走る、守る、すべての試合でチームに貢献したいという気持ちが強いです。あとはケガなくっていうのが一番です。

──体の状態はいかがですか。

柳田 いや、張っていますよ。疲れはもちろんありますけど、痛いところはないので普通です。

──万全で開幕を迎えられそうですね。

柳田 しっかり、キャンプで練習して、オープン戦でコンディションを合わせていって、シーズンでスタメンで出られるように。そのために今、練習したいですね。

──昨季は日米野球にも出場し、さらにモチベーションが上がっているのではないでしょうか。

柳田 それももちろんありますけど、でもやっぱ、チーム一丸となって日本一になったっていうのが一番うれしかったことです。それが一番のモチベーションですよ。またビールかけしたいですね。

──15年シーズンの自分に期待するものも大きいのではないですか。

柳田 期待はありますね。でも相手も抑えにきますから、そこはそれを上回らないといけないんで、練習しないとダメだなと思っています。

「チーム一丸となっての日本一が一番のモチベーション。またビールかけしたいですね」



PROFILE
やなぎた・ゆうき●1988年10月9日生まれ。広島県出身。188cm92kg。右投左打。広島商高から広島経大を経て11年ドラフト2位でソフトバンク入団。1年目から一軍出場を果たし、3年目の13年に104試合に出場。昨季は144試合すべてにスタメン出場し、打率.317、15本塁打、70打点、33盗塁の結果を残した。ゴールデングラブ賞、ベストナインを受賞。日米野球MVP。15年は背番号を44から9に変更。
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