週刊ベースボールONLINE


新背番号で再出発した男たち

 

選手にとってのもう1つの顔とも言える背番号。ここでは2015年シーズンから新たなナンバーを背負って戦う6人の男たちをピックアップ。あこがれだった1ケタ台で飛躍を誓う者、悔しさを胸に逆襲を誓う者など、それぞれの背中には知られざる人間ドラマがある。

ソフトバンク・中村晃[60→7]
あこがれの「7」への思い




 あこがれと責任を背負った。ソフトバンク中村晃は、背番号「7」で2015年に挑む。昨季は176安打でリーグ最多安打のタイトルを獲得。打撃職人に成長し、幼いころから着けたかった番号を勝ち取った。

「やっぱりかっこいいですね……。1ケタはそうそう着けられるものじゃないですし、責任感も出てくる」

 思わず顔もほころぶ。レギュラーに定着して2年が過ぎたが、ひたむきに練習に打ち込み、チームに欠かせない存在に上り詰めた。背番号変更の希望も認められ、あこがれだった「7」を背中に刻むことになった。

 鷹では井口資仁(1997〜2004年)や大村直之(05〜08年)が着けた番号だが、中村が「昔から好きな番号だったんです」というのは、少年時代を埼玉で過ごしたことに理由がある。生まれ育ったのは朝霞市。西武ドームへ何度も足を運び、遊撃にいたスターをジッと見つめていた。そこには「7」が躍動していた。西武・松井稼頭央(現楽天)の背中が輝いて見えた。打撃フォームのマネも繰り返し、思いを募らせていった。晴れて同じ数字を背負うことになり、このオフにはうれしいサプライズもあった。オフに中村が出演した福岡ローカルのテレビ番組に、松井稼がビデオメッセージを寄せたのだ。「中村君は間の取り方、バットコントロール、すべてがすごい」と手放しでたたえられた。普段はポーカーフェースの中村も、表情が崩れた。背中を追ってきた人に認められた瞬間だった。「7番になってダメになったと言われないように、何事にも全力でやりたいです」

 鷹のレギュラー争いはシ烈だ。外野には内川、長谷川、柳田らがおり、一塁は李大浩、吉村と競う。あこがれの番号を自らへのプレッシャーとし、中村はさらに上を目指していく。

中日・高橋周平[9→3]
いよいよ覚醒のとき




 中日ではエースナンバーの20、野手では“ミスタードラゴンズ”立浪和義が背負った3が特別視される数字だ。そのチームの象徴とも言える背番号3を今季から継いだのが、眠れるスラッガー・高橋周平だ。12〜13年は背番号31、昨年は同9を背負ってきた高橋周だが、いよいよ球団の顔になるべく、発破をかけられたと言ってもいいだろう。

 スラッガーとして将来を嘱望された大器だが、昨年までの3シーズンでは計168試合出場にとどまった。背番号変更が言い渡された昨年オフの契約更改では、落合博満GMから・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング