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2010年の現役引退から5年、満を持してユニフォームを着る。引退後は筑波大大学院でトレーニング法やコーチング理論を学び、それを実践に移す時が来た。指揮を執るのは前年のチャンピオンチーム。過去に例のない、日本一チームを引き継いでの連続日本一を目指す。
取材・構成=菊池仁志 写真=湯浅芳昭

高いモチベーションで戦い抜く2015シーズン


──監督として初めてのシーズンが間近に迫っています。

工藤 選手がケガなく、良い状態でシーズンに入れるようにしたいですね。ウチの場合は野手のレギュラーは固まっている状態なので、比較的野手の方は心配していません。シーズンの初めから打つかどうかは分からないですけどね。

──細川亨捕手、城所龍磨外野手を欠いての開幕となります。

工藤 いないところは大きく戦力が落ちないように、それができる選手もいます。ただ、ケガはチームにとっての最大の戦力低下につながります。それがそのままシーズンの結果につながりかねないので、一番に気を付けるところです。

──その点で鶴岡慎也捕手の存在は心強くもあり、また、若い斐紹捕手や拓也捕手にチャンスを与える機会が増えました。

工藤 現時点で開幕は経験を持った人がやってくれるのが一番だと思いますね。当然、若い選手にもチャンスを与えますが、そこで試合に慣れてもらって雰囲気やシーズンの流れも含めて、落ち着いて練習ができるようになって試合に出られるようにしたいです。とにかく、選手の能力を半減させるようなことはしたくないので、落ち着いて野球ができるように設定を考えたいです。キャッチャーは経験を積んで成長するものだと思いますので。

──昨年までは細川捕手、鶴岡捕手、高谷裕亮捕手が主に一軍にいましたが、いずれも30代中盤。若いキャッチャーの育成は課題です。

工藤 若いキャッチャーには自分たちが上に行くという気持ちでやってもらいたいし、その力は十分あると思っています。ただ、キャッチャーは時間がかかるものですから、それが数カ月の話かと言われれば違います。経験は試合の中で左右することが大きいのですが、ピッチャーをうまくリードして、どうすれば試合をうまく動かすことができるかは考えてもらいたい。そこで1度レギュラーを獲れば、若ければ10年以上マスクをかぶれるんですから、やる価値はあります。ただ、一軍にいればいいんじゃなくて、もし開幕で一軍にいられたとしたら、そこがスタートだと、気持ちを高ぶらせた状態でシーズンを送ってほしいです。

──ダイエー(現ソフトバンク)に所属した現役時代は城島健司捕手を育てた工藤監督です。若手捕手の育成には期待が高まります。

工藤 彼の場合は・・・

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