週刊ベースボールONLINE

2015 広島カープ大特集

北別府学の提言!「完投数の増加が広島優勝のカギ」

 

今季の広島の戦いを支えるのは、力のある先発投手陣だ。前田健太黒田博樹の二枚看板に、大瀬良大地野村祐輔、ジョンソン、福井優也と勝利が見える顔ぶれが並ぶ。その陣容はかつて広島が「投手王国」と呼ばれた黄金時代を連想させるほどだ。
取材・構成=菊池仁志、写真=BBM



完投数の増加が広島優勝のカギ


 北別府学氏の今季のセ・リーグの順位予想は、1位から広島、巨人阪神ヤクルト中日DeNAの並び。1位に古巣・広島を挙げた根拠が他球団と比べて力がある先発投手陣にある。24年ぶりの優勝が十分に狙える陣容が整った。

 順位予想で広島を1位に挙げたのは、それだけの力は十分についてきたと思うからです。大黒柱であるマエケン(前田健太)がいて、黒田(博樹)という予想外の大補強がありました。この2本柱がものすごく強力です。大瀬良(大地)も新人王を獲った昨年より安定した働きが期待できそう。野村(祐輔)も状態が戻ってきているように見えます。左のジョンソンは低めへの制球が良く、大崩れの心配がない。あとは6人目で福井(優也)がどのような投球を見せるかですね。

 今は月曜日が空き日で、6連戦が基本スケジュール。だから、先発投手は6人が必要で、それぞれ中6日で回ります。僕の時代は今のように定期的なスケジュールじゃなかったこともあって、中5日が基本で先発を4、5人で回すために中4日で投げることも当然のようにありました。先発の必要数で、昔と今とはちょっと野球が変わってきていますね。

 でも6人、力のある先発投手をそろえることは大変です。今季の他球団を見ても勝利を計算できる投手が3、4人いればいい方でしょう。あとの2、3人は出してみないとどうなるか分からない投手。今年の広島を優勝と予想する評論家も多くいますが、それだけ評価できるのは計算できる投手の数が他球団より多いからだと思うんですよね。

 それに、100球がメドの考え方は僕らの時代にはなかったもの。だから今は、中継ぎが非常に重要になるんですけど、そこに頼り過ぎると昨年、一昨年の広島がそうだったように、夏場以降、失速してしまいます。6人の先発の中に完投ができるピッチャーがいて、そういう試合を作れるようにしないと、投手陣全体がうまく回っていかないんですよね。

 今年の広島は監督が代わって、前田には「完投指令」を出したという報道もありました。そういうベンチの方針がないと完投が増えない時代です。100球でOKであれば、選手の意識もそうなるし、スタミナもそこで頭打ちになってしまいます。日ごろの練習も・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング