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5月からの快進撃で好調をキープする横浜DeNA。開幕前の下馬評を覆す戦いぶりがペナントを面白くする。そのチームをけん引するキーマンは現状をどう見ているのだろう。昨年までのキャプテンと現キャプテン、そして名門・横浜高の5つ違いの先輩と後輩でもある二人にこれまでのシーズンを互いに語り合ってもらった。ヨコハマに1998年以来の歓喜の瞬間は訪れるのか──。
取材日:5月22日
取材・構成=滝川和臣 写真=保高幸子、川口洋邦、内田孝治、大賀章好

想定外の好位置投手陣が強さを支える


──チームは貯金9、2位の巨人に3ゲーム差の首位につけています。

石川 いまのこの順位は予想外というよりは、率直に言って、すごくうれしいですね。当然、どんなときでも1位を目指して野球をやっていますが、この時期に首位で野球ができることはうれしいです。

筒香 開幕前に首位という位置は予想していませんでした。いまチームが勝てていることで、ベンチの雰囲気もすごく明るいんですよね。

──好調の要因はどこにあると思われますか。

石川 一つはウチの四番がしっかりしているからでしょう。

筒香 ありがとうございます(笑)。

石川 それに投打が噛み合っていること。大量点を挙げて勝つ試合もありますが、今年は接戦をモノにする試合が多い。それは投手陣が頑張っている証拠だと思います。筒香 試合が締まっていますよね。そういう雰囲気は守っていても感じられます。

──開幕以来、石川選手が初回の第1打席で出塁した試合は14連勝という不敗神話もありました(5月19日に記録はストップ)。

石川 一番打者としてゲームに入る前の準備であったり、1打席目に対する意識を去年までと変えているつもりはありません。クリーンアップの前に出塁してチャンスをつくることが僕の仕事です。「14連勝」という数字に関しては、僕は出塁しただけで、僕の打撃で勝ったというより走者をかえすべき役割の人間が仕事をしたということでしょう。

──石川選手をかえすのが四番に座る筒香選手の仕事になります。どのような意識で打席に入っているのでしょうか。

筒香 横浜高校の先輩がこうして必死になって塁に出て、得点圏に進んでくれる。それをムダにしたくないという気持ちですね。もちろん僕だけじゃなくて、石川さんが先陣を切る姿をベンチのみんなも感じていますし、表現するのは難しいですが、チームが一つの方向に向かっていけているような気がします。

石川 今年の筒香は四番として打率も残しているし、ホームランも打てる。走者がいなくても一発で流れを変えてくれるのがデカい。ホントに頼りになるヤツですよ。

──石川選手はご自身の打撃をどう分析されていますか。

石川 毎年、春先は調子が悪いことが多い中で、4月、5月でこれくらいの打率(.296、22日時点)をキープして、夏に向けてもう少し上げていければいいかなと思っています。ここ数年は満足のいく結果を残していないので個人的には今年に懸ける思いは強いです。結果が出なければすぐに交代させられる、という危機感を持ってプレーしています。とはいえ、そういう状況でも楽しくプレーができていますよ。

石川雄洋選手の5月27日時点の成績は、49試合、打率.300、1本塁打、14打点、得点圏打率.325、出塁率.338、長打率.353、OPS.691



──ここまで本塁打と打点で2冠、打率2位(22日時点)の筒香選手は、この成績をどう見ていますか。

筒香 去年の同じ時期に比べて、打点が多いのがいいんじゃないかなと。

筒香嘉智選手の5月27日時点の成績は、48試合、打率.331、11本塁打、40打点、得点圏打率.353、出塁率.402、長打率.580、OPS.982



──四番の仕事ができていると。

筒香 う〜ん、ここ数試合は得点圏に走者がいるときに打てていないのでダメですけど……もっと、もっと勝利打点や、流れを変える一打を意識したいです。

──走者を二塁や三塁に置いた場面では大きな当たりより、短いのを意識するのですか。

筒香 最低限の仕事として犠牲フライを狙う場合だったり、逆に単打を意識することもあるので状況によりますね。

「もっと、もっと勝利打点にこだわり流れを変える一打を意識したい」と語る筒香



新戦力の台頭で芽生えた競争意識


──前キャプテン(石川選手)と現キャプテン(筒香選手)の立場からチームに昨年までとの違いを感じますか。

石川 過去3年間、僕がキャプテンをやりましたが、今年は選手間の雰囲気がすごくいいですね。去年までもチーム全員がやることをやってきましたが・・・

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