週刊ベースボールONLINE

藤浪晋太郎インタビュー

 

プロ入り3年目を迎え、進化を続けている藤浪晋太郎。その速度が今季に入ってから上がった。奪三振はリーグトップ。そして何より簡単に負けなくなった。藤浪がマウンドに上がれば勝てるという信頼感がチーム内にある。背番号19で必ず勝てる計算が立てば、力強い。阪神が混セを抜け出すために、その流れを作れる男が藤浪なのだ。
取材・構成=椎屋博幸 写真=太田裕史(インタビュー)、前島進、BBM

脱力投法を身につけつかんだ手ごたえ


 昨年のオフから取り組む、リリースのときのみに前身の力を指先に伝える脱力投法へと投球フォームを変化させている藤浪。5月14日のヤクルト戦(神宮)で1失点完投勝利を挙げると、7月5日まで負けなしの6連勝(2試合勝ち負けなし)を飾った。この8試合の内容が、これまでと異なり、打者を圧倒する場面が増えた。そこにはこの脱力投法との深い関わりがあった。

脱力投法をつかんだという5月14日のヤクルト戦。9回8安打を打たれながらも、完投。それ以上にこの投法をマスターしたことが大きい



──7月5日のDeNA戦(横浜)6回一死二、三塁からバルディリスを見逃し三振に斬って取ったフロントドア・カットボールは見事でした。

藤浪 打者にとっても意外なボールだったと思います。あの日の朝、捕手の鶴岡(一成)さんと打ち合わせをして使ってみようかと。だから試合のどこかで投げるかもしれないというのが僕の頭の中にもあった。さすがにバルディリスも、頭になかったでしょう。右打者は抜けたと思うでしょうし、手が出ないと思います。引き出しの一つになりましたね。

──見逃し三振を狙いにいけるパターンも増えたのではないしょうか。

藤浪 見逃し三振を狙いにいくのは難しいです。たまたまでしょう。最近は、コントロールが良く、まあまあいいコーナーに決まっていますから、見逃しが多いのかなと思います。

──ストライクゾーンのコーナーに投げられている理由はありますか。

藤浪 フォーム全体がバランスよく投げられているからだと思います。また、余計な力を入れないようにしようと心がけていますので、それができていると思います。いい投球フォームの形になりつつあるかな、と。リリースするまで力を入れないというイメージもできています。

──初回にコントロールがつかないときもありますが、修正点はすぐ分かるようになった。

藤浪 感覚的には分かっています。それが修正できる感じも分かっています。1年目、2年目にも修正していましたが、それとは違う感覚を持っています。投げるときの体のメカニズムの中で、何が悪いのかよく分かるようになりました。今はイニングごとでも修正でき、1球ごとに修正が効きますね。

「投げるときのメカニズムの中で何が悪いのかよく分かるようになった」という。



──ストライクゾーンで勝負をしている場面も多いと思います。

藤浪 今ストレートの走りがいい分、ゾーンで勝負しやすいですし、ストレートがいいだけに、打者がそれを意識し過ぎて、変化球を投げて見送ったということも実際にありましたね。ボールからストライクにすることもできるようになりましたし。

──フォークなども小さくしか落としていないのに空振りも多いです。

藤浪 そこもやはりストレートがいいからだと思います・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング