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ソフトバンク・柳田悠岐 トリプルスリーへ期待

 

今季は3番として活躍を続ける柳田。7月22日試合終了時点の成績は83試合/打数369/安打114/本18/打点55/盗塁17/打率.364


ソフトバンク柳田悠岐がトリプルスリーへ順調に歩を進めている。前半戦終了時点で打率.367、17本塁打、16盗塁。達成すれば13年ぶりとなる大記録の凄みをあらためて分析する。
写真=BBM

過去8人のレジェンドに柳田が肩を並べるか


■トリプルスリー達成者


 トリプルスリーの達成者はこれまで8名。いずれもプロ野球史に残る名プレーヤーだ。最も新しいところでは02年に達成した松井稼頭央(当時西武、現楽天)。ソフトバンクの柳田悠岐にはそれ以来、13年ぶりの大記録への期待が高まっている。

 14年から「トリプルスリー」を目標に掲げ、シーズンを送る中で成長を遂げてきた柳田。昨年は144試合すべてに出場し、打率.317、33盗塁は目標を達成。本塁打は15本にとどまったが、今季は本拠地のヤフオクドームにホームランテラスが設置され、最大5メートル外野フェンスがせり出したこともあり、前半戦を終えた時点で早くも自己最多の17本塁打をマークしている。これでちょうど30本ペース。打率は.367と好調を維持しており、盗塁企図数の増加が記録達成のポイントとなりそうだ。

 今季は三番に定着。後続には内川聖一李大浩松田宣浩中村晃がぶため、柳田の足で好機を広げる機会が限定されている。それでも「プロである以上、自分の成績が大事。アウトになってもスイマセンくらいの気持ちでいく」という積極的な姿勢を失わなければ十分に達成可能だ。

トリプルスリー達成は積極的な盗塁企図がカギを握る



トリプル2.8でも14名の狭き門


 レギュラー獲りに挑んだ13年シーズンの開幕前、柳田は「トリプル2.5」を目標に掲げた。打率.250、25本塁打、25盗塁。その視点から「トリプル2.8」達成者を挙げたのが以下の表だ(トリプルスリー達成者を除く)。

■トリプル2.8達成者


 トリプルスリーにわずかに届かなかった6名も球史に名を残す名プレーヤーばかりだ。50年はトリプルスリーを達成した別当薫岩本義行のほかにも川上哲治青田昇小鶴誠が記録に迫った。川上は本塁打が1本足りず、青田と小鶴は盗塁で一歩及ばなかった。この年、川上、青田の巨人は140試合、小鶴の松竹は137試合だっただけに、現行の143試合であれば歴史に名を刻んだ可能性が高い。

 また、58年の長嶋茂雄は130試合での記録。加えてこの年が立大から入団1年目というから恐れ入る。 柳田は今年27歳。柳田をレギュラーとして起用し続けた秋山幸二前監督がトリプルスリーを達成したのも27歳だった。パワーとスピードとテクニックをバランス良く併せ持った者だけが到達できる高み。その域に加わろうとする若鷹の後半戦のパフォーマンスに期待だ。
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