アグレッシブなプレーで巨人の一番打者に定着し、8月13日現在54試合62安打0本塁打11打点11盗塁、打率.333と目覚ましい働きを見せる立岡宗一郎。プロ入り7年、決して平坦ではない道のりの先に、現在の輝きがあった。 取材・構成=坂本匠 写真=小山真司、大泉謙也、荒川ユウジ 動物的にいきなさい
V4を目指すチームに
原辰徳監督は“野性味”を求める。能力は疑いの余地がなく、経験も豊富な選手たちで構成されるが、どこかおとなしく、優等生的なプレーから脱し得ないからだ。そんなチームに、新風を吹き込んでいるのが、
橋本到、
大田泰示と同じ、1990年生まれの立岡宗一郎である。本能むき出しのパフォーマンスは“野性味”に合致。低迷打線を力強くけん引している。
──2013年の46試合がこれまでの最多出場ですから、それを超えて、未知の領域に挑戦中です。一番・中堅で出番を重ねるいま、毎試合をどのような思いで迎えていますか。
立岡 一軍に上がった(5月24日に今季初昇格)当初は、すぐに先発で使ってもらい、明日の出番をつかむためにその日を全力で、という姿勢でいました。いまも……、それは変わりません。代わりはいくらでもいるチームなので。変な凡退をして、修正できずに終わり、翌日の先発から外れた経験もあります。極力、完ぺきにやられましたとならないよう、何か残そうという思いが強いです。
──規定打席には達していませんが、未知の領域に挑戦中です。一番・中3割を超える打率をキープ。好調のは、巨人の選手にはこれまでなかった種類のアグレッシブさを感じます。
立岡 ガツガツ行くスタイルが、染みついてしまいました。最低限の配球を読むとかはあるんですが、盗塁もカンを大事にする。行けそうだと思ったら走る。失敗もありますけど、反省して覚えればいいことですから。
──14年は一軍2試合の出場にとどまる中で、今季も開幕二軍に危機感があったと思います。
立岡 開幕時点で今年は100試合出ようと目標を持っていたんです。率は.265ですけど、安定してヒットも出ていて、今年は何かできそうな感覚。だから、早く一軍に呼んでくれ、と思っていました。5月24日に呼ばれたときも、原(辰徳)監督に、「二軍でやってきたことをそのままやってくれ」と言われて、「よし」と。ただ、その日(
中日戦、東京ドーム)のサード(※二番・三塁で先発)は予想外でしたけど(苦笑)。
──今季から登録を外野手に変更したばかりですしね。ただ、複数ポジションを守れることは強みです。
立岡 基本、二軍では外野で出ていました。でも・・・
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